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2021.10.20(Wed)

メタバースとは?ビジネスへの活用事例と導入のメリット・課題

#CX/顧客体験 #イノベーション #メタバース
仮想空間で自分の分身を使ったコミュニケーションができるメタバース。そんなメタバースに関連する新規サービスが続々と登場して、少しずつ盛り上がりを見せています。近年では、ビジネスシーンにおいてもメタバースを活用した新たな動きが見られるようになりました。メタバースが普及すれば、人々の働き方にも大きな影響を与える可能性があるでしょう。本記事では、メタバースの基礎知識や、ビジネスに取り入れる際のポイントなどをお伝えします。

メタバース(Metaverse)の基礎知識

初めに、メタバースの基礎知識をお伝えします。メタバースの定義や、似ている用語との違いについて確認しておきましょう。

●メタバースの定義
メタバースとは、インターネット上に構築された人数参加型の仮想空間を指します。「超越」や「高次元」を意味する「メタ(meta)」と、「宇宙」や「世界」を表す「ユニバース(universe)」をかけ合わせた造語です。メタバースでは、ユーザーは自身の分身となるアバターを使って生活を送ります。仮想空間で物の売買、他者とのコミュニケーション、イベントの開催、街の散策などが可能です。これまでは主にオンラインゲームで先行して活用されていましたが、近年ではビジネスや音楽などのシーンでもメタバースが利用され始めています。バーチャルオフィスで仕事をしたり、仮想空間でオンライン会議やバーチャルライブに参加したりと、仮想世界は生活者の身近な存在になりつつあります。

●XRとメタバースの違い
XR(クロスリアリティ)とは「Cross Reality」を略した言葉で、仮想現実を体験するためのデバイスや技術の総称です。メタバースが仮想空間そのものを指すのに対して、XRは仮想空間に入り込むためのツールを指す点であるところに違いがあります。XRは、「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」などの技術から成り立っています。

VRの技術では、ヘッドセットタイプのゴーグルやセンサーなどを用いて、仮想世界への没入感を高められるのが特徴です。ARは、現実世界をディスプレイに映した際に、仮想世界の情報を重ねて表示させる技術によって、現実世界を拡張させます。MRでは、現実世界に立体映像を浮かび上がらせることで、まるで実在しているかのような感覚を与え、現実世界と仮想世界を融合させます。

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メタバースが注目を集めている背景

メタバースは徐々に認知が広がりつつあり、新規事業の創出や市場の拡大など将来性が期待されています。ここでは、現在メタバースが注目を集めている背景を解説します。

●テクノロジーの進化
近年では技術の進歩によりメタバースを利用するハードルが下がっています。メタバースを活用したコンテンツやサービスは2000年代初頭から存在していましたが、当時は一般ユーザーや企業には浸透しませんでした。その理由として、技術が未成熟でリアリティのあるコミュニケーションやクオリティの高い空間演出が難しかったことが挙げられます。これらの技術的課題は、テクノロジーの進化により解決しつつあります。また、昨今ではスマートフォンが普及し、VRゴーグルが低廉化したことで、メタバース利用に必要な機器を購入しやすくなりました。今後はさらに多くのユーザーが流入し、マーケットサイズが拡大すると見込まれています。

●NFT市場の盛り上がり
NFTとは、ブロックチェーンの仕組みを使って、デジタルデータの保有者情報を管理する技術です。「Non-Fungible Token」の略語で、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれます。NFTの登場によって、デジタルデータの保有者情報の証明が可能となり、偽造やコピーを防止できるようになりました。つまり、デジタルデータにも資産価値を与えられるようになったのです。このNFTと仮想通貨を組み合わせれば、メタバース内で世界中の人々と経済活動を行えるようになることから、市場が盛り上がりを見せています。企業にとっては新規事業創出の可能性があり、大きなビジネスチャンスが期待できるでしょう。

●新型コロナウイルス感染症の影響によるニーズの変化
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、あらゆる場面で人間同士のリアルな接触が避けられるようになり、オンラインの需要が高まりました。ビジネスシーンにおいても、すでにテレワークやオンライン会議、オンラインイベントなどが浸透しています。そこで、オンラインでもよりリアリティのあるコミュニケーションを実現する手段として、メタバースに注目が集まっている状況です。

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ビジネスにおけるメタバースの活用事例

メタバースはビジネスシーンでどのように活用されているのでしょうか。さまざまな業界での活用事例をご紹介します。

●バーチャルショップ
バーチャルショップとは、3DCGで作成されたメタバース上の店舗のことです。メタバースECとも呼ばれます。従来のオンラインショップとは異なる形で、顧客の購買体験の向上を見込めると期待されています。たとえば、友人のアバターと一緒に買い物を楽しめる点や、ショップのスタッフに相談しながら商品を選べる点は、メタバースならではの魅力といえるでしょう。海外顧客の獲得を目的として、すでに大手百貨店やコスメブランドがバーチャルショップを出店しています。

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●オンラインイベント
仮想空間を活用したオンラインイベントの開催が増えています。イベントの種類は、音楽フェス、バーチャルマーケット、ファッションショーまで多岐にわたります。メタバースではアバターで会場内を移動したり、他の参加者と交流したりと、まるでその場にいるかのような臨場感を味わえるのが魅力です。また、イベントを開催する企業側は、会場のキャパシティを考慮する必要がありません。場所による制約がないため、リアルで開催する場合よりも多くの人を呼び込むことで、売上アップが期待できるでしょう。

●メタバース観光
国内外の観光地では、地域観光を仮想空間上で提供する取り組みが加速しています。代表例として挙げられるのは、沖縄県や大阪府、韓国のソウル市などです。メタバースでは時間や場所、身体的な事情などを問わずに、誰でも世界中を旅行する感覚を味わえます。大手の旅行会社や代理店はメタバース観光への投資を進めており、仮想空間内に期間限定でバーチャル支店を設置する試みも行われました。

●バーチャルオフィス
メタバースに設置されたオフィスは「バーチャルオフィス(仮想オフィス)」と呼ばれます。複数人が同じ仮想空間に集まって仕事をしながら、アバターで会議や息抜きの会話ができるのが特徴です。社員がオフィスを離れて個別に働くテレワークでは、孤独を感じやすい点が課題となっています。そこでバーチャルオフィスを活用すれば、従来のオフィスと同様に、仕事中のコミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。

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●メタバース広告
メタバース上でも広告スペースが提供され、企業が広告を出稿できるようになりました。仮想空間であるメタバースでは、デジタル技術を用いてこれまでにない新たな方法でユーザーにアプローチできることから、広告の可能性がさらに広がると考えられています。すでに多くの広告代理店がメタバース広告に参入し、メタバースの強みを生かした広告設計や広告戦略を模索しています。

●オンライン研修・トレーニング
メタバースは、研修やトレーニングの分野で実用化されつつあります。たとえば、教育・研修業界では、講師がメタバースで授業や研修を実施したり、受講生がアバターを使ってディスカッションしたりする取り組みが始まっています。建設業界では、メタバースに建設現場を再現した研修施設を用意することで、作業員の安全を確保しながら現場に近い環境でトレーニングができるようになりました。

●遠隔医療
医師がロボットを通じて遠隔で患者を診察するなど、メタバースで医療サービスを提供する試みが始まっています。医療分野では少子高齢化の影響を受けて、過疎地域における医療機関不足や、通院が困難な高齢者のケアなどが課題となっています。このように医療にアクセスしにくい住民に対して、メタバースを活用して遠隔医療を提供できるようになれば、地域医療の問題を解決できる可能性があるでしょう。

メタバースをビジネスに取り入れるメリット

メタバースを自社のビジネスに取り入れると、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。企業にもたらされるメリットをご紹介します。

●作業状況を可視化できる
企業がメタバースオフィスを活用すると、社員の勤務状況や作業進捗を可視化しやすくなります。メタバースオフィスには、ステータスの共有機能や社員同士のコミュニケーション機能など、便利な機能が搭載されています。テレワークを導入している企業でも効率的なマネジメントが可能です。管理職の負担軽減やジョブ型雇用の推進に役立つでしょう。

●経営コストの削減につながる
メタバースによる代替で、経営や事業に必要なさまざまなコストを削減できます。メタバースオフィスを利用する場合は、社員の交通費やオフィスの賃料・光熱費などが発生しません。イベントやセミナーを開催する際も、会場のレンタル料を抑えやすくなるでしょう。メタバースの構築には一定の費用がかかるものの、総合的に見てコスト削減が期待できます。

●情報を正確かつ迅速に届けやすい
メタバース内には、情報伝達の手段が豊富に用意されています。通話やチャットでコミュニケーションが取れるだけでなく、仮想空間に設置されたスクリーン上で複数人が同時に資料を閲覧したり、画面を共有したりすることも可能です。業務に必要な情報を効率的かつリアルタイムに届けられます。

●ビジネスチャンスの創出につながる可能性がある
メタバースのビジネス活用は、まだ始まったばかりです。参入企業には、メタバースを利用して販路拡大につなげたり、メタバース上で提供する新規サービスを開発したりと、多くのビジネスチャンスが期待できます。今後もテクノロジーの進化により、メタバースでできることの幅がさらに広がる可能性があると言えます。

●現実世界でのハンディキャップを解消しやすい
メタバースが普及すると、多くの人にとって住み良い社会を実現できます。前述のメタバース観光や遠隔医療などの事例でも、現実世界でのハンディキャップが解消されて、必要なサービスにアクセスしやすくなるケースをご紹介しました。メタバースによって、身体的な事情がある人も気軽に旅行を楽しんだり、住環境にかかわらず平等に医療サービスを享受したりできる社会が実現されるかもしれません。

メタバースをビジネスに活用する際の課題

メタバースのビジネス活用には、いくつかの課題があります。自社のビジネスにメタバースを取り入れる際は、以下のポイントを確認しましょう。

●法整備が追いついていない
現状、メタバース内での事象に対する法律やルールの整備は十分とはいえません。商取引やメタバースオフィスでの法人設立をはじめとして、今後の法整備を待たなければならない部分も多くあるでしょう。また、メタバースではアバター同士のコミュニケーションにおけるトラブルや、ハラスメントの被害なども報告されています。メタバースを導入する際は、社内のルール整備を進めると同時に、法整備について常に最新情報を確認することが大切です。

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●メタバースの構築に時間と費用がかかる
自社のメタバースオフィスや顧客向けのコミュニティなど、独自のメタバースプラットフォームを構築するには、一定の時間と費用がかかります。ただし、近年ではメタバース構築に関するサービスも増えつつあり、社内でエンジニアを確保できない企業でも、プラットフォームを作りやすくなっています。

●セキュリティに留意する必要がある
オンライン上でサービスを提供するメタバースでは、セキュリティ対策が必須となります。特に、社員がメタバースオフィスで働く場合には、自社の営業秘密や顧客データをはじめとした機密情報を、オンラインで取り扱う可能性もあるでしょう。情報漏えい事故を防ぐためにも、セキュリティ強化に取り組み、セキュリティに信頼がおけるベンダーやサービスを選定することが大切です。

メタバースオフィスの導入時に確認すべきポイント

メタバースサービスの中でも、ビジネスに導入しやすいのがメタバースオフィスです。ここではメタバースオフィスを導入する際に確認すべきポイントを解説します。

●PCへの負荷
PCへの負荷が大きいメタバースオフィスを導入すると、操作性が悪くなるおそれがあります。業務効率や生産性の低下を招くため、負荷が大きいサービスは避けて、可能な限りメモリの使用量が少ないサービスを選びましょう。PCの性能がサービスの推奨スペックを満たしていない場合は、リプレースも検討しましょう。

●機能の充実度
メタバースオフィスのサービスは、機能面を重視して選ぶようおすすめします。たとえば、社内コミュニケーションの活性化を目的に導入する場合は、社員同士がスムーズに連携できるよう、チャットやオンライン会議などの情報共有に役立つ機能が必要です。ほかにも、勤怠管理やタスク管理をはじめ、自社が求める機能に関する充実度を確認して選ぶようにしましょう。

●社内ツールとの連携性
メタバースオフィスと既存の社内ツールを連携させると、業務効率化の効果が期待できます。テレワークを実施している企業では、すでにオンラインで仕事を進めるために活用している業務ツールが多くあることでしょう。これらの社内ツールとの連携性を確認した上で、メタバースオフィスのサービスを選定するようにしておくと安心です。

●デザインやUIの使いやすさ
社員が快適に働けるメタバースオフィスを提供するためにも、サービスのデザインやUIの使いやすさを重視しましょう。操作性の悪さにより社員がストレスを感じると、生産性の低下を招くおそれがあります。導入前に無料トライアルなどを利用して、社員からのフィードバックを参考にサービスを選定すると良いでしょう。

注目のメタバースをビジネスに活用しましょう!

ここまでメタバースの基礎知識から活用のポイントまで解説しました。近年のテクノロジーの進化などを背景に、ビジネスシーンでも徐々にメタバースの活用が始まっています。これまでにない新たなビジネスの創出や、より良い社会の実現につながるとして、多くのメリットが期待されている状況です。社員が仮想空間で働くメタバースオフィスが身近になり、テレワークと併せて導入する企業が増えつつあります。ご紹介したポイントを参考に、注目のメタバースを自社のビジネスでご活用ください。