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vol. 11

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私たちは何を持続させようとしているのか?

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私たちがいま依存している資源やサービスを、テクノロジーの力で再生可能な形に変え、サステナブルな社会を実現することを目指す「グリーンテック」。成長分野のマーケットとして注目が集まる一方で、その本質を見失わないための新しい発展の在り方を問う議論が起こっています。

OPEN HUBとメディア『WIRED』日本版が共同開催したオンラインセッション「1万年後のグリーンテック~企業が創るべき、テクノロジーと地球の未来とは~」では、「生環境構築史」という長期的な視野で人類の営みを捉える京都府立大学 准教授 松田法子氏と、多様性に対応する社会の実現のための次世代技術基盤 IOWN構想を推進するNTTコミュニケーションズ 代表取締役副社長 菅原英宗を招き、グリーンテックのあるべき姿を探りました。

サステナビリティの内実を問う

——まずは、グリーンテックの「グリーン」とはいったい誰の/何のためのものなのか、というところからお話を始めていきたいと思います。つまり、私たちは何を目指してサステナビリティやSDGsに取り組むのか。それは人間のためなのか、地球のためなのか。また、果たしてそれらは両立できているのか。いま、私たちはサステナビリティをどのように捉えるべきだと思われますか?

菅原英宗(以下、菅原):サステナビリティについては2つの側面から考える必要があると思います。1つは企業活動・経済活動から見たサステナビリティですね。いままでは経済価値・社会価値・環境価値がそれぞれ独立的に考えられていました。CSRといえども、環境への還元は自社の利益がまずは前提にされています。しかし、これからは環境価値という土台の上に社会価値、その上に経済価値が成立する時代になってくると思います。

菅原英宗|NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長
1987年日本電信電話入社。2016年NTTコミュニケーションズ取締役、2018年NTTコムソリューションズ代表取締役社長、2019年NTTコミュニケーションズ代表取締役常務取締役を経て、 2020年6月より現職。

そしてもう1つ、人間という側面から見たサステナビリティがあります。これはあくまで私見ですが、人間もまた生態系の一部です。ゆえに人間社会のサステナビリティは、生態系全体のサステナビリティなくしてはあり得ないわけですね。人間の持続可能性というものは、生態系のそれと一体のものとして、包摂的に考えられていく必要があると思います。

松田法子氏(以下、松田氏):人間も地球という生態系の一部だというお考えはその通りだと思います。私たちは近年、異分野の研究者が集まって議論するプラットフォームとして「生環境構築史」という研究分野を立ち上げました。人類は、自分たちが生きる環境を地球に構築し、獲得してきました。それは常に地球との関係の中で成立してきたし、これからもそうでしかない。生環境構築史は、そのような観点から長期的な視野で人類の営みを考えていく歴史学であり、いま現在とこれからを考える活動でもあります。

松田法子|都市史・建築史研究者/京都府立大学准教授
京都府立大学大学院博士後期課程修了後、東京大学大学院工学系研究科などを経て現職。土地と人との関わりに関心をもつ。著書に「絵はがきの別府」(単著)、「危機と都市 Along the water」(共編著)、「変容する都市のゆくえ 複眼の都市論」「世界建築史15講」(共著)など。

いままでの歴史の描かれ方は、人間中心的だったとも言えると思うんですね。言い換えれば、人間社会の在り方とその変遷に大きな関心が寄せられてきた。その中で、例えば生産や交換の様式から世界史を捉える理論があります。これらは大変優れた理論ですが、実はそれらの様式の基底にある地球の存在は明確に組み込まれていなかった。そこで私たちは、人間活動の根本で、なおかついつでも人間社会にインパクトを与えている地球の活動と人の構築活動の関係を結ぶ歴史学が必要ではないかと考えたのです。

生環境構築史が問う、地球から逸脱していく進化の是非

——生環境構築史の観点からすると、人類はこれまでどういった段階を経て、いまどんなステージに立っていると言えるのでしょうか?

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