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2024.04.20(Sat)
――まず、NEWGREEN、井関農機それぞれの事業内容についてお聞かせください。
山中氏:NEWGREENは「未来を拓く農業者に、次世代の農業モデルを。」をミッションとした、農業ソリューションを提供している会社です。アイガモロボをはじめ、水を張らない米作りの技術開発など、特に日本の米農家の皆さんに対して「よりラクに、より高付加価値の」稲作のための仕組みづくりを提供しています。
冨安氏:井関農機は1926年に「農家を過酷な労働から解放したい」を理念として愛媛県で創業した農業機械の総合専業メーカーです。お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供を通じて、豊かな社会の実現へ貢献することをパーパスとしており、「食」「農」「大地」にまつわる社会問題の解決に取り組み、事業を展開しています。
――「アイガモロボ」プロジェクトについて伺います。中村さんは日産自動車でエンジニアをしていたとのことですが、アイガモロボを開発した経緯について、お聞かせください。
中村氏:日産自動車では開発の取りまとめをしており、車に関わるすべての部品に携わっていました。自動車エンジニアとしてのキャリアを積む中、2011年に東日本大震災が発生しました。東京でも食料品が手に入りにくい状況が続く中で食糧供給について危機感を抱き、大型機械や化学肥料が使えない状況でも米や野菜を自給できるようになっておきたいと考え、土日に通いで有機農業を始めました。
有機農法はなんといっても除草作業が一番の重労働でした。ある時、地元農家の方から受けた『車を作る技術で、除草作業をなんとかできないか?』という相談を“安請け合い”したことがきっかけで、抑草ロボットを開発し始めました。

――アイガモロボは、具体的に農業におけるどのような課題を解決するのでしょうか。
中村氏:日本の田んぼの99%は雑草対策に除草剤を使っています。雑草対策が一番手間とコストがかかり、できれば減らしていきたいと農業者の皆さんが要望されていらっしゃいましたが、これを解決できる手だてがありませんでした。
アイガモロボは、水田の泥を撹拌することで濁らせ、光を遮ることで雑草の光合成を抑制し成長を妨げます。さらに、雑草が稲よりも根を張る前に、スクリューで小さな雑草を抜きます。雑草は田植えの後に生えてくるため、除草のタイミングも理にかなっています。
「自動で動く」かつ「ソーラーエネルギーで動く」、つまり人手もエネルギーも要らない、さらに農薬を減らすことができます。実際に販売して、農家の方からは「除草作業を軽減できた」、さらには「全くしなくてよくなった」という声もいただいております。
――除草だけでなく、ジャンボタニシによる食害の抑制にも効果があると聞きました。このような効果はどのようにして見つけたのでしょうか。
中村氏:とにかく田んぼにずっといて、観察し、気づいたことを調べ続けました。農家の方からも話を伺い、「子供を田んぼで遊ばせる」「アイガモを放つ」など雑草抑制に効果があるとされていた方法に、「水が濁ることで雑草が生えにくくなる」というメカニズムが共通していることを発見し、その状態を再現できるロボットを開発しました。
ジャンボタニシについても同様で、ジャンボタニシが嫌がる環境を分析しました。一つめは単純にブラシで叩く。二つめは「音」。ジャンボタニシが嫌う周波数帯を見つけ、第二世代のアイガモロボ(アイガモロボ2)からはこの周波数の音を出せるようにしました。
三つめは土壌の環境で、ブラシで水田を攪拌すると、土壌に酸素が入り、微生物帯が変わります。この過程でジャンボタニシが嫌がる物質が増えることで、動きを抑制します。
直接的に駆除するのではなく、動きが鈍る環境を整えることで、ジャンボタニシによる食害を防ぐ仕組みを作りました。
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