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vol. 05

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最先端技術を備えた新たなビジネス共創の場が誕生

  • OPEN HUB

コロナ禍で日常になった、オンラインでの体験やコミュニケーション。企業同士の共創やプロジェクト推進の形も変化を迎えています。2022年2月22日にオープンを迎えた「OPEN HUB Park」は、そんな時代のあり様をふまえてつくられた共創の場。どのような空間で、どのような価値を提供しようとしているのでしょうか。

コロナの時代に必要な共創の場とは

昨今、「イノベーションラボ」や「共創空間」と呼ばれる施設がさまざまな企業/組織によってつくられる一方、物理的空間はコロナ禍で活用しづらい状況にあります。リアルの場所の存在意義を再定義する必要性が高まっている中で、1つの解として示すのがここ、OPEN HUB Parkです。

OPEN HUB Parkは、DXによって社会的課題が解決された持続可能な未来の世界「Smart World」実現のための共創の場。NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の変革の象徴として、東京・大手町の本社の中に誕生しました。検討がスタートしたのは1年ほど前、時代はすでにコロナ禍。NTT Comでは社員のリモートワーク化が進み、オフィスの集約を決断しました。その一方で、リアルだからこそできることはなにか。ステークホルダーが一堂に会することが難しい時代だからこそ、出会うリアルの場はどうあるべきかを考え、オフィス空間として利用していたフロアの1つを新たな共創のためのワークプレイスに生まれ変わらせることにしたのです。

「私たちNTT Comが提供できる価値は、事業やプロジェクトのコンセプト創出に留まらず、お客さまと共に実装まで並走できる、多種多様な人材や先端技術にあります。その価値を最大限発揮しながら、この時代に新しい強いコンセプトを生み出し、実現まで到達できるリアルの場、共創の場とはどのような場なのか。noizの豊田さん、Whatever富永さんと一緒に考えるところからOPEN HUB Parkの構想は始まりました」

そう語るのは、OPEN HUBの運営統括を務める大宅左恵です。

大宅 左恵|NTTコミュニケーションズ OPEN HUB Chief Catalyst/Operation
OPEN HUB for Smart World設立にあたって、検討フェーズから運営統括として参画。リアル/バーチャルの新たなビジネス共創の場の運営企画やエクスペリエンスマネジメントをけん引していく。大学卒業後、NTTに入社。2回の育休を経て、2011年からデジタルマーケティングに従事。オウンドメディア(Bizコンパス)の立ち上げ、記事のコンセプト企画や分析などを主導してきた。

新時代のリアルの場とはどのような意味や機能をもつ場であるべきなのか、強いビジネスコンセプトを生み出すことができる共創のためのワークプレイスとはどのような姿なのかを模索しながら、OPEN HUB Parkの構想は進んでいきました。

デジタルカンパニーらしさを裏切る空間設計

「今回、設計にあたって『どううまく裏切るか』をずっと考えてきたように思います。フィジカルなオフィスを生かしながら、予定調和にならない場所って何なのか、いい意味で心地よくない場所って何なのか、デジタルカンパニーとしてのイメージを裏切るってどういうことなのか——。

大手町にある高層ビルの上層階という環境も考慮してたどり着いたのが、有機的なテクスチャを随所に感じられる場所でした。普通のオフィスにない機能点在、有機的な形状で組み合わせ可能な家具を用いて、自分だけの居場所を見つける楽しさ、そして空間全体においては透明感や浮遊感といったものも大事にしました」(豊田氏)

OPEN HUB Park具現化まで共に歩んだ建築設計事務所noizの豊田啓介氏は、空間のコンセプトについてそう語ります。

豊田 啓介|東京大学生産技術研究所特任教授/noiz/gluon
1972年、千葉県出身。1996~2000年、安藤忠雄建築研究所。2002~2006年、SHoP Architects(ニューヨーク)を経て、2007年より東京と台北をベースにnoiz を蔡佳萱と設立、2016年に酒井康介が加わる。2020年、ワルシャワ事務所設立。2017年、「建築・都市×テック×ビジネス」がテーマの領域横断型プラットフォーム gluonを金田充弘と設立。2025年大阪・関西国際博覧会 誘致会場計画アドバイザー(2017年~2018年)。建築情報学会副会長(2020年~)。大阪コモングラウンド・リビングラボ(2020年〜)。2021年より東京大学生産技術研究所特任教授。

例えば、「Green Executive Briefing Center(グリーン・エグゼクティブ・ブリーフィングセンター)」と名付けられたエグゼクティブルームは、カーブを描くガラスの壁に外の景色、床、テーブルが写り込むことで、外の世界と部屋の中の世界が混じり合うような設計に。ガラスの反射と透過の組み合わせによって、さながら「リアルホログラフィ」のように、街並みと空、ルームの中で行われる活動が物理的に合成されていきます。従来の名刺交換から始まる堅苦しい応接室や会議室ではなく、活発にプレゼンテーションや議論を行い、プロジェクトを生み出す場所として築きました。

Green Executive Briefing Center

「Green Executive Briefing Center」のほか、プロジェクトルームにはパブリック/ローカル5GをはじめとするNTTグループの技術が多数搭載されており、パートナーの皆さんと目指す未来に向けて、その技術を活用した実証実験を行うことができます。

「例えば早期商用サービス開始を目指す、大容量、低遅延、消費電力の大幅な削減などを実現する次世代のコミュニケーション基盤『IOWN🄬』。OPEN HUB Parkでは、次世代通信となる非圧縮伝送8K120pのデモやIOWNの検証環境を整備しています(※)。また、欧州のデータ流通プラットフォーム『GAIA-X』に接続し、グローバルサプライチェーンにおけるCO2や廃棄物の排出量可視化の環境を用いて、お客さまの産業機器を接続した検証が可能です」(大宅)
※IOWN®は日本電信電話の商標。

Green Executive Briefing Center内。NTT Comの最新技術を活用したデモンストレーションなどが可能。

こうした最先端技術が備わった共創の場はNTT Comならでは。ほかにはない強みである一方、言葉だけでは伝わりづらいという印象を持つ人もいるかもしれません。OPEN HUB Parkの空間設計では、そんな側面も考慮しているのだと豊田氏は言います。

「フィジカルなオフィスということを生かした有機的な空間の体験であり、これまでの単なるオフィスを超えた新しい仕事・作業空間のあり方、右から左への大きなグラデーションのスペクトル、スケールを横断することのダイナミクスや多様なパターン、異なる図式( 方向性:45度のパターン)のオーバーレイ、このようなコンセプトをもって、それを実現できるような空間設計を目指しました。

またリアルの場所だけでもない、デジタルツインでもない、その2つが有機的にさまざまな方向からつながっていくことが今後大事になっていくこと。Smart Cityの今後の在り方もイメージして空間を設計しています」

実際、OPEN HUB Parkを巡ると、天井や床、インテリアの細部に至るまで、そうした豊田氏の想いを感じることができます。

リアルとリモートが溶け合うデジタル体験

こうした有機的な空間に設置されているのが、OMOを前提とした複数のデジタルエクスペリエンスです。企画・設計を担当したWhateverの富永勇亮氏は、さまざまな仕掛けを施し、OPEN HUB Parkを体験できるよう設計したと語ります。

富永 勇亮 |Whatever Inc. CEO, Producer
立命館大学在学中の2000年にAID-DCC Inc. 設立に参画、COOとして在籍、2014年4月dot by dotを設立。2018年からPARTY New Yorkのプロデューサーを兼務、2019年1月に同社と合併、Whateverを設立、代表に就任。広告、インスタレーション、ミュージックビデオ、IoT、ファッション、TV などメディアを横断したプロデュース活動を行い、カンヌライオンズ、SXSW、文化庁メディア芸術祭、The Webby Awardsなどを受賞。

「OPEN HUB Parkに訪れたゲストが最初に出会うのが、エントランスを囲むように立ち並ぶ7台のディスプレイ『OPEN HUB Monoliths(モノリス)』。事前の入館手続きを経て発行される体験URLからWebカメラにアクセスし、マーカーを読み込むと、ゲストのイニシャル、業界、職種を組み合わせたパーソナルなロゴがディスプレイに表示されます。没入感のある演出でゲストをおもてなししながら、気持ちのスイッチを切り替え、OPEN HUBメンバーの一員として迎え入れるための装置です」

OPEN HUB Monoliths

「OPEN HUB Monoliths」に歓迎を受け、Park内に踏み入れると、一際目を引くのが約3m×10mの巨大なLEDディスプレイ「OPEN HUB Visualizer(ビジュアライザー)」。NTT Comの取り組むSmart Worldを肌で感じてもらうためのインスタレーション映像が投影されています。

「私たちの目指すSmart World実現において取り組むデータの可視化や利活用は直感的に伝わりづらい部分があります。今回、巨大なLEDモニターを使ってビジュアライズ化し、データに基づいたダイナミックなインスタレーションを体感いただくことで、新たな共創ビジネスを想起するきっかけになればと思っています」(大宅)

「大宅さんの言う通り、データと一口に言っても実態がわかりづらいですよね。見た人が驚くようなデータの可視化を演出したいという思いをもって取り組みました。NTT Comが持つ数あるデータの中から3つに絞り込み、直感的に伝わる形で可視化しています。その内の1つが、愛知県名古屋市にある久屋大通公園をVR化したデジタル空間”Hisaya Digital Park”での顧客体験データを可視化したものです。実際のアクセスログデータと連動し、映像を生成しています」(富永氏)

OPEN HUB Visualizer

また、コロナ禍においてリモートをリアルな場とつなぐ役割を果たすのが、「OPEN HUB Window(ウィンドウ)」と「OPEN HUB Robot Visitors(ロボット・ビジターズ)」です。

「OPEN HUB Window」は、離れた場所の共創パートナーと同じ空間にいるかのようにつながることができる、カメラ・スピーカー・マイク一体型のディスプレイ。特徴は全身を等身大で中継することで、その場に一緒にいるかのような、臨場感を演出することにあります。OPEN HUBと各共創拠点双方に Window を設置し接続することで、必要なときにすぐに話しかけることができるようになり、同じ熱量でのスムーズなコミュニケーションを可能にします。一方、「OPEN HUB Robot Visitors」はディスプレイとカメラが付いたテレプレゼンスロボットで、遠隔からコントロールすることができます。ビデオチャットで会話をしながらParkを巡ることも可能で、直接Parkに来られなくとも施設を見て回り、その場にいる人や、ロボット同士で交流することもできます。

「OPEN HUBは、文字通りいろんな場所の『ハブ』になることがコンセプトの1つ。さまざまな方法で、CROSS LABやNexcenter LABといったNTT Comの共創拠点と常時接続することができます。リアルとリモートの垣根を越えて人や技術をつなげて空気感を共有し、共創の熱量を高めることが一番の目的です」(富永氏)

OPEN HUB Robot Visitors

変化の時代、OPEN HUB Parkに期待すること

有機的な空間の中にデジタルエクスペリエンスを落とし込んだ、新しい形の共創の場、OPEN HUB Park。言うまでもなく、ここからが本当のスタートです。

「これは実際に体験してほしいですが、エントランスのOPEN HUB Monoliths で生成される Personal Logo は、OPEN HUBのWebサイトマイページや、オンラインイベントへの参加数にも連動しています。リアルとバーチャルを横断するコミュニケーションのシンボルとなっているのです。 バーチャル上で参加する人たち、そしてリアルなこの場所で参加する人たちによって、どんどん新しいものが生み出されていく。そういう場になっています。大手町に来ていない間も、OPEN HUBを活用してほしいですね」(富永氏)

豊田氏も、今後のOPEN HUB Parkの可能性について、こう続けます。

「ロボットのような物理的実体を持つものや、完全に物理的な実態を持たないバーチャルアバターなどのノンヒューマンエージェントが日常に入ってくることで、寝たきりの子どもが学校の授業に出たり、社会に出られない人が仕事をできたりと、叶えられる世界が広がるのではないかと思います。今後ノンヒューマンエージェントにどれだけの人格や人権を見るのか、という人間の定義の拡張が起き、スロープをつけるのとは違うバリアフリーが仕組みやしつらえの中に生まれるのではないでしょうか。

OPEN HUBは物理的な場所があることを強さとしながらも、実験場としてさまざまな可能性が広がるような使い方をしていただきたいと思っていますし、僕自身も関わっていきたいです」

「OPEN HUB Parkはローカル5Gやパブリック5Gなど最先端のインフラ技術を備えていますが、展示場のような形で出来上がったものを展示するのではなく、現在進行系のものを体感・体験できるような実験場にしていきたいと思っています。

OPEN HUBのコンセプトは『変化し続ける』こと。ここを通じ見出されるビジネスに柔軟に対応していけるよう、この場も、そして自分たちもアップデートし続けていきたいですね」(大宅)

OPEN HUBの挑戦は始まったばかり。この時代だからこそできる共創の形を模索し続けていきます。

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