2025年7月より、NTTコミュニケーションズはNTTドコモビジネスに社名を変更しました

Hyper connected Society

2026.06.12(Fri)

AI時代に適したIoTデータの利活用基盤へと進化

docomo business SIGN™が切り拓く、安全&大容量なIoT運用

AIやロボットによる自律的な通信が増えていくこれからの時代は、IoT活用の拡大とともに、サイバー攻撃やデータ量の増加が新たな課題として顕在化しています。「つないだ機器をどう安全に運用するか」「映像やAI用途による桁違いの通信量への不安」。そうした今後の課題に対応するため、NTTドコモビジネス株式会社(以下、NTTドコモビジネス)が提供するセキュリティ機能を標準搭載したIoT向けのNaaS(Network as a Service)である「docomo business SIGN™(以下、SIGN)」は、2026年3月25日、大幅なアップデートを発表しました。

本記事では、記者発表の概要とともに、OPEN HUB Parkで体験できるSIGNのデモ展示の様子、今回のアップデートのポイントを同社担当者が語ります。

目次


    「セキュリティ」と「大容量」-AI×IoT時代の二大課題を解決するために

    IoTの活用は、製造、物流、農業をはじめ、さまざまな場所で広がっています。一方で、本格導入が進むにつれて、運用面での課題も見えやすくなってきました。

    記者発表で登壇したNTTドコモビジネスPS本部5G&IoTサービス部 第一サービス部門長の柏大は冒頭、「これまでのネットワーク通信は、主に人間が利用するデバイス間の通信でした。それが今後は、人間からモノ、AI、ロボットへとつながるデバイスが圧倒的に増え、それらが自律的にデータを発信するようになります。指数関数的に増加するこの通信とともに、ネットワークで扱うトラフィックも増大していくと見込まれます」とIoTを取り巻く現状に言及しました。

    このAI×IoT時代の到来とともに、IoTのさらなる普及に向けた「壁」として顕在化しているのが、「セキュリティ」と「大容量」という二大課題です。

    サイバー攻撃のうちIoT機器を狙ったものの割合は年々高まっており、IoT分野においてもセキュリティへの対応が必要不可欠となってきています。柏は「IoTデバイスは、PCなどと違いセキュリティ機能をなかなか入れにくく、どうしても狙われやすいという問題があります」と指摘。設置台数が増えるほど個別管理の負荷も大きくなり、現場や情報システム部門の課題となっているのです。そして同時に、桁違いに増えるトラフィックを、リーズナブルかつ安定的に運用できる仕組みも求められています。

    NTTドコモビジネスは、こうした課題に応えるサービスとして、2025年12月にSIGNを提供開始しました。これはNTTドコモのネットワークインフラを基盤とした閉域通信を標準搭載し、高セキュリティな通信環境、デバイス管理機能、ネットワーク機能(NaaS:Network as a Service)をひとつにパッケージ化したIoT向けサービスです。

    まずはそのSIGNを体験できるデモ展示について、ご紹介します。

    デモ展示レポート —「見えない攻撃」を可視化し、即応する

    東京・大手町にあるOPEN HUB Parkでは、SIGNに標準搭載されている特許取得のセキュリティ機能(脅威検知・遮断)のデモ展示を体験できます(申し込み制)。企業のみなさまへSIGNをご案内するNTTドコモビジネス PS本部5G&IoT部の渡辺泰輝は、「IoTを導入する際にお客さまが感じやすい運用上の不安や課題を共有しながら、SIGNでどのような対応ができるのかをご紹介しています」と話します。

    今回のデモンストレーションでは、「工場に設置されたネットワークカメラにSIGNのSIMが搭載されている」想定で、どのようなことが可能になるのかの説明が行われました。

    画面右は、ネットワークカメラで定点監視される工場(イメージ画像)の様子

    【デモンストレーションの流れ】

    ①まずは、OPEN HUB Park内の一室を“工場”と見立てます。その天井に設置されているネットワークカメラに搭載されたSIGNの回線を通じ、“工場”内を定点監視している様子がPark内のビジュアライザーに映し出されます。渡辺は、「こういったネットワークカメラなどのIoT機器は、機器の脆弱性を突いた攻撃などによって、不正に操作される可能性があります」と説明します。
    ②続いて、攻撃者側のPCからネットワークカメラが不正に操作される様子が実演されます。映像が第三者の操作で左右に動く様子を通じて、遠隔地に設置された機器が不正な通信の影響を受ける状況が視覚的に示されます。

    カメラの不正操作(乗っ取り)のイメージ
    “ハッカー役”がIoTのネットワークに不正にアクセスする様子を実演

    ③続いて投影されたのが、SIGNの管理画面です。管理画面はWebブラウザで閲覧でき、画面には「脅威検知一覧」がSIM単位で表示されています。加えて最新の検知日時、脅威の内容、そしてNTTドコモビジネスのロジックによってランク付けされた「検知脅威度」まで、検知の内容が整理されて表示されます。今回のケースでは脅威タイプとして「C2サーバーへの不正な通信」が明確に記録されていました。

    管理画面のイメージ(脅威検知一覧)

    ④問題が発生したデバイスへの対応も管理画面上からボタン操作ひとつで完了します。デモでは、該当SIMの回線を即座に遮断する様子が示されました。さらに、あらかじめ設定しておいたメールアドレス宛てに自動でアラートが通知される仕組みも紹介されました。

    管理画面のイメージ(遮断画面)

    渡辺はこのデモのポイントをこう説明します。「IoTデバイスは全国各地に点在しており、スマートフォンのように手元で状態を確認できるものではありません。攻撃による異常が発生しても気づきにくいうえ、対応するために現地へ赴くには時間がかかります。だからこそ、管理画面を通じて遠隔からスピーディーに確認・遮断できることが、SIGNの大きな強みとなるのです」。

    大型アップデートで提供される「新機能」と「新メニュー」とは

    そして、2026年3月25日、NTTドコモビジネスはSIGNの大型アップデートを発表しました。内容は、既存の「Value」メニューへの機能追加と、新たな「Advanced」メニューの提供開始です。

    ■「Value」メニューにアプレットSIM機能を追加
    「Value」メニューに追加されたのがアプレットSIMです。これまでのSIGNは、主にネットワーク側からIoT環境を支える構成でしたが、アプレットSIMの追加によって、デバイス側の管理や運用にも対応できるようになりました。具体的には、「IoT SAFE」と「Telemetry」の2つの機能が提供されます。

    「IoT SAFE」は、デバイス認証を支援する機能です。不正なデバイスの接続やなりすましを防ぐためには、鍵情報やクライアント証明書の管理が必要になりますが、台数が増えるほど個別対応は煩雑になりやすくなります。IoT SAFEでは、SIMを挿入して電源を入れることで、鍵情報やクライアント証明書をSIM内で生成・保管できます。認証に関する設定や管理の負担を抑えながら、運用を進めやすくする仕組みです。

    「Telemetry」は、SIM経由でデバイスの位置情報や通信状況を取得し、管理画面から遠隔で確認できる機能です。電波強度や通信品質などを把握可能なため、設置場所を検討したり、トラブル発生時の原因を確認したりする際に有用です。また、SIMの差し替えや機器の盗難といった想定外の変化に気づきやすくなります。

    ■新メニュー「Advanced」を提供開始
    もうひとつの柱が、新メニューとなる「Advanced」です。「Advanced」は、5Gに対応しセキュリティ機能を搭載した、キャリア網内でのデータ利活用を可能とするモバイル回線サービスです。また、Advancedのモバイル回線とMEC(Multi-access Edge Computing)サーバー基盤を組み合わせることで、安全なリアルタイム分析や、映像・AI活用、ロボティクス制御など機密データや個人情報を扱う用途にも安心して利用できます。

    MECサーバー基盤は、キャリア網内で運用されるサーバーです。端末の近傍にサーバーが配置されることで、IoTデバイスから収集した映像・画像データやセンサーデータを、インターネットを経由せず効率的に蓄積・処理・分析できます。そのため、前述した用途にも対応しやすくなります。

    また、Advancedメニューではドローンやヘリコプターなど上空利用に対応した専用プランや、混雑エリアでも安定した通信を確保しやすい「5G ワイドオプション」も用意されています。用途に応じて、回線の選択肢を広げられる構成になっています。

    SIGNの今、そして「IoTといえばSIGN」へ

    3月の新機能リリースの意義と今後の展望について渡辺と、NTTドコモビジネス PS本部5G&IoT部の新道賢作に話を聞きました。

    ——今回アプレットSIMをSIGNのメニューとして提供することで、利用者にとって何が変わりますか。

    渡辺:これまでもSIGNでは、ネットワーク側から脅威の検知や遮断といった機能を提供してきました。今回アプレットSIMが加わったことで、ネットワーク側に加えて、デバイス側の管理や認証にも対応しやすくなります。また、SIGNのポータルから申し込めるため、これまでのように別ソリューションとして個別に調達・設定する場合に比べて、導入の手間を抑えやすくなっています。

    渡辺 泰輝│NTTドコモビジネス PS本部5G&IoT部 第一サービス部門第五グループ第二チーム

    ——IoT SAFEとTelemetryは、それぞれ現場でどのように役立つのでしょうか。

    渡辺:IoT SAFEは、デバイス認証の運用負荷という、IoT導入現場の長年の課題に対応するものです。デバイスごとに鍵情報やクライアント証明書を個別インストールするのは、台数が増えれば増えるほど現実的ではありません。しかしIoT SAFEなら、SIMを挿して電源を入れるだけで自動生成・安全保管が完了します。また、IoTデバイスにセキュリティ機能を後付けしようとすればコストがかかりますが、その機能を1枚のSIMで実装できる点も特徴と言えるでしょう。

    Telemetryについては、運用・保守と状況把握の両面で活用できます。たとえば、電波強度や通信品質を把握することで、設置場所の検討や、トラブル発生時の原因確認に役立ちます。加えて、基地局情報をもとにデバイスの位置変化を把握したり、SIMの抜き取りや差し替えを検知したりすることで、想定外の利用に気づきやすくなります。とくに遠隔地や人目につきにくい場所に設置された機器では、こうした把握のしやすさが重要になります。

    ——Advancedメニューは、どのような用途を想定しているのでしょうか。

    新道:Advancedは、SIGNコア機能であるWANセキュリティと大容量通信を可能とする5G、さらにMECサーバー基盤を組み合わせたサービスとなります。IoT用途で収集したデータのモバイル通信、ネットワークセキュリティだけでなく、データを「活用する」段階まで押し上げ、SIGNでお客さまのIoT利用をトータルカバーするメニューです。

    その中核を担うのは、ネットワーク内に設置されたMECサーバー基盤です。このMECサーバー基盤を活用することで、インターネットを経由せずに、あらゆるデータの蓄積・分析を行うことができます。また、MECサーバー基盤へダイレクトに接続可能な5G回線、混雑エリアでも高速・安定した通信を確保するための回線オプション(5Gワイド)、ドローンなどの上空利用に対応した専用プランなど、MECサーバー基盤への閉域接続に特化した多彩な回線メニューを準備し、あらゆるIoT用途で、より安全に、より安心してお使いいただけるメニューとして設計されています。

    その意味では、Advancedは特定の用途に特化したメニューではなく、IoT利用のコア基盤として、あらゆるお客さまニーズを支えるメニューとして位置付けています。

    新道 賢作│NTTドコモビジネス PS本部5G&IoT部 第一サービス部門第八グループ第五チーム

    ——最後に、今後SIGNをどのような方向に進化させていきたいとお考えですか。

    新道:SIGNでは、つなぐことに加えて、その後の運用や活用まで含めて支えることを重視しています。IoTでは、接続したあとに、どのように運用し、どのようにデータを生かしていくかが重要になります。今回のアプレットSIMやAdvancedの追加も、その流れの中にあるものです。

    今後、IoTで取得したデータが現場の運用や判断により深く使用される場面は増えていくと考えています。そうした中で、ネットワークやクラウドを含めた基盤側で、継続的な運用を支える仕組みを整えることが、より重要になっていくはずです。

    渡辺:私たちは、IoTを導入されるお客さまが「とにかくSIGNを選んでおけば安心だ」と感じていただけるサービスを目指しています。遠隔地にあるデバイスの状況をリアルタイムに把握し、脅威があれば即座に対応できるといった安心感を、ネットワークの力でお届けし続けていきたいと思います。そして、「IoTといえばSIGN」と言ってもらえるサービスにしていきたいですね。

    ■docomo business SIGN™の詳細はこちら
    https://www.ntt.com/business/services/sign.html

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