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2025.07.18(Fri)
──まず、河内長野市の森林が置かれている現状について教えてください。
須藤暁史氏(以下、須藤氏):河内長野市は、府内では大阪市、堺市に次ぐ面積を持つ市で、市域の約7割を森林が占めています。さらに、そのうちの約7割がスギやヒノキなどの人工林で、管理が必要な森林面積は約5,000ヘクタールに上ります。人工林は天然林と異なり、適切に手を入れ続けなければ健全な状態を維持できません。放置すれば、木々が痩せ細るだけでなく、林内が暗くなって下草が育たなくなり、水源涵養や土砂災害の防止といった森林本来の機能も次第に低下していきます。
理想的には、約10年に1回の間伐が必要です。5,000ヘクタールの森林を適切に管理するには、単純計算で毎年500ヘクタールの間伐を進めなければなりません。実際には、森林環境譲与税や国の補助事業を組み合わせながら整備を進めていますが、近年は市域での森林整備は年間約100ヘクタール程度で推移しており、財政的にも人材的にも、十分に賄いきれていないのが現状です。

──財源だけでなく、担い手の問題もあるのでしょうか。
須藤氏:その通りです。これは河内長野市に限らず、日本全国の林業に共通する課題ですが、林業の担い手は年々減少しています。かつてはスギやヒノキを販売することで林業経営が成り立っていましたが、木材価格はピーク時の4分の1程度まで下落しています。その一方で、人件費や燃料費は上昇し、さらに輸入木材との競合もあって、林業を補助金なしで産業として成立させることが難しくなっています。こうした状況が、担い手不足に拍車をかけています。
宮﨑優理恵氏(以下、宮﨑氏):森林所有者の意識にも変化が見られます。もともと山を所有していた方でも、管理の難しさや将来的な収益への見通しの立てにくさから、森林への関心が薄れてきています。管理が行き届かない森林が増えている背景には、そうした事情もあります。市としても、この状況に対して何らかの新しい手を打たなければならないという危機感を強く持っていました。

──そこで注目されたのが、J-クレジット制度だったのですね。
須藤氏:はい。木材を販売するという従来の経済価値に加え、森林が持つ「CO2を吸収する力」そのものを新たな環境価値として生かせる可能性に着目しました。J-クレジット制度では、適切な森林整備によって増加したCO2吸収量を国が認証することでクレジットとして取引でき、林業経営体にとっては収益源の選択肢を増やすことにつながります。森林整備を続けるモチベーションを支えるとともに担い手の確保につなげ、収益を原資にさらなる森林整備を進める、そうした持続的な循環をつくることが、この取り組みの大きな狙いです。
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