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Global ICT

2025.11.26(Wed)

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生成AI時代、日本企業のグローバル戦略に求められる
「データ主権」への視座とは

クラウドサービス、生成AI、データ流通といった技術は、今や企業競争力の根幹を担う存在です。一方で、地政学リスクの高まりや各国の法制度の違いにより、これらの技術活用には新たな課題も生まれています。データをどこに置くか、どのクラウドを選ぶかといった判断が、企業の市場戦略を左右する時代になったのです。

このような環境変化のなかで、グローバル展開を目指す日本企業はどう対応すべきなのでしょうか。今回は、テクノロジーの最前線を追い続けてきたNTTドコモビジネスのエバンジェリスト・林雅之に、企業が押さえるべき重要なトレンドについて伺いました。

「データ主権」の確保が、グローバル展開の成否を分ける

──最近世間で注目されている地政学リスクや関税問題は、グローバル企業のIT戦略やデジタルインフラにどのような影響を与えるのでしょうか。

林:特定の国に依存すること自体が大きなリスクになってきた、という認識です。結果としてサプライチェーンを再設計する動きが加速しており、企業のテクノロジー選択にも大きな影響を与えています。

この変化を象徴する具体例として、帝国データバンクが公開した「自動車業界サプライチェーン動向調査」があります。これまで自動車業界のサプライチェーンの上位を占めていたのは、エンジンやブレーキなどの物理的な部品を製造する企業でした。

しかし最近では、車載ソフトウェアの開発を手がける「受託開発ソフトウェア業」の企業が急速に存在感を増し、部品製造業と肩を並べるほどの地位にまで上がってきています。

なぜこのような変化が起きているのでしょうか。理由の一つには関税にあります。物理的な部品を国境を越えて輸送する際には関税がかかりますが、ソフトウェアにはかかりません。そのため企業は、従来のように完成した製品をパッケージで輸入するのではなく、最低限のハードウェアは自国で調達し、機能はソフトウェアで後から追加するという戦略に転換しているのです。

車の新機能を追加する際に、以前は物理的な部品交換が必要でしたが、ソフトウェアのアップデートだけで対応する比率が高まっていくと考えています。

林雅之|NTTドコモビジネス エバンジェリスト
クラウドやデータ活用のマーケティング担当等を経て、現在はイノベーションセンターIOWN推進室に所属。次世代通信基盤・IOWNのマーケティングに従事しながら、IOWNのキーテクノロジー「光電融合技術」や、AI連携による分散型ネットワーク構築といった未来のテクノロジーのリサーチ・開発なども兼務している。国際大学GLOCOM客員研究員。クラウドサービスにまつわる著書を手がけるほか、DXとビジネスをテーマにした記事も多数執筆している

──サプライチェーンがソフトウェア重視に変わる一方で、企業が自社のデータをどう管理・保護するかという「データ主権」の考え方も重要になってきていると思います。この概念がなぜ注目を集めているのでしょうか。

林:「経済安全保障」が関係していると思います。経済安全保障とは、重要な先端技術や機密情報の流出を防ぎ、経済面から国の安全を守る取り組みのことです。国の産業にとって大切な技術や情報が他国に流出するリスクを避けるため、グローバル企業には自分たちの競争力のあるデータは自分たちで守る姿勢が求められるようになりました。

実際のところ日本国内でも、信頼できるデータ流通の基盤を整えていこうという機運は高まってきています。2025年4月に経団連が発表した「産業データスペースの構築に向けた第二次提言」の「トラスト基盤の整備」の項にもその必要性が記されています。こうした取り組みはEUがいち早く動いており、やがて世界的にも広がっていくと考えられます。日本もグローバルでのデータ連携やエコシステムを通じて、社会実装を加速させていかないと、国際的な競争で後れを取ってしまう懸念もあります。

適材適所のクラウド運営でデータを管理する

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