Manufacturing for Well-being

2022.06.15(Wed)

ベテランのノウハウをAIで形式知化

#スマートファクトリー #事例 #AI

#10

あらゆる社会課題の解決を目的に、次々と実現するNTT Comとパートナーとの共創事業。私たちに身近な生活領域からビジネス領域まで、さまざまな分野を横断して広がる、DXにまつわる最新事例をお伝えします。

目次


    AIが複雑なプラント運転技能を伝承支援する

    近年、環境問題への対応およびサプライチェーンの多様化に伴い、多品種少量生産、変種変量生産の必要性が増し、既存の自動制御技術では対応ができずに手動操作が必要なプラントが増えています。

    手動操作に関しては、品質の安定性、技能伝承、エネルギーコストや原材料コストへの影響などの課題が顕在化しており、そうした課題を解決するためにNTT ComのAI技術と横河ソリューションサービスのプラント制御に関する知見を融合し、誕生したのが「AIプラント運転支援ソリューション」です。

    AIモデルの技術開発では多くのアプローチ方法を検討しましたが、コストメリットが大きく、現場にとっても納得感が得られやすい「イミテーションラーニング」という手法を採用しました。AIモデルの開発には熟練運転員のノウハウ(ドメイン知識)を活用する、すなわち「人とAIが共創」することで精度の高いAIモデルを実現することが可能となりました。

    「イミテーションラーニング」によって作成されたAIモデルは、熟練運転員のノウハウそのものとなります。要因可視化技術により、AIの推奨値と根拠も提示されるため、暗黙知である運転技術のノウハウは形式知化されます。これにより、人材不足が深刻なプラント運転員の育成や技能伝承に関しても寄与することができます。また、ガイダンス画面において安定化指標や目標値も見える化されるため、製品品質の改善にも貢献することが期待されます。

    さらには、変量生産に対応するためのAIモデルの自動再学習機能も搭載、過去のデータから現在の状態に近いデータを検索し、随時再学習を実施、原材料投入量(ロード量)の変更や季節変化、経年劣化にも対応が可能となりました。

    今後は、技術伝承機能の拡充と、イミテーションラーニング技術を使ったオートパイロット機能(監視下における自動運転機能)の開発を行う予定です。これにより、原材料コスト、エネルギーコストの削減、CO2排出削減などに貢献します。

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