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2026.05.29(Fri)

“トラフィック爆発時代”の必須ツールへ。
NTTドコモビジネス、最新ネットワーク技術「5Gスライシング」を提供開始

2026年3月26日、NTTドコモビジネスとNTTドコモは、混雑時にも安定した通信環境を提供する法人向けモバイルネットワークサービス「5Gスライシング」の提供を開始したことを発表しました。本サービスは、従来の「5Gワイド」「ローカル5G TypeD」を擁する5Gの総合コンサルティングサービス「docomo business プライベート5G」に新しく追加されたメニューです。これにより、工場や倉庫、公共施設、放送事業者などさまざまな業務の要件や要望に合わせ、より安定した通信環境を実現します。山王パークタワーで開かれた記者発表会では、NTTドコモビジネス プラットフォームサービス本部 5G&IoTサービス部 第二サービス部門長の岩本健嗣が、5Gスライシングのデモを交えながら、AI時代に求められるネットワークソリューションについてプレゼンを行いました。

この記事の要約

5Gの普及によりAI時代の通信需要は急増し、低遅延かつ安定したネットワークが不可欠となる中、注目されるのが通信帯域を用途別に仮想分割する「スライシング」である。これにより遠隔操作や映像伝送など目的に応じた最適な通信品質を実現できる。NTTドコモビジネスは従来の「5Gワイド」「ローカル5G TypeD」に加え、第3の選択肢として「5Gスライシング」を提供開始。専用帯域を柔軟に確保し、安定性・柔軟性・コストの課題に対応する。常時利用や予約型など柔軟な料金体系も特徴である。実証実験でも混雑環境下で高い安定性を示し、エリア特性に応じた使い分けの有効性も確認された。AI活用を支える基盤として今後の産業利用拡大が期待されている。

※この要約は生成AIで作成しました。

目次


    爆発するネットワークトラフィックにどう対応する? 最新技術「スライシング」とは

    日本国内では2019年から徐々にスタートした第5世代移動通信システム(5G)。高速大容量・高信頼低遅延・多数同時接続を実現するモバイルネットワークであり、今後はAIエージェントやフィジカルAI同士がこの5Gを通じて自律的に通信していく時代が来ると予想されています。

    こうした未来に関し、NTTドコモビジネス プラットフォームサービス本部の岩本健嗣は「エッジやクラウドなど分散した環境でのデータ処理が一般化し、ネットワークを介したデータ連携や処理の重要度が高まり、トラフィックは指数関数的に増大すると見られます」と指摘します。

    岩本健嗣|NTTドコモビジネス プラットフォームサービス本部 5G&IoTサービス部 第二サービス部門長

    「来たるべきAI時代に求められるのは、AIを前提にしたネットワークです。トラフィックの増大はもちろん、要件によって発生する通信の突発的かつ急激な増大化にも耐え得るネットワークが望まれます。

    その実現には2つの軸があり、1つの軸は、AIを活用してネットワーク品質と運用効率を向上させる『AI for Network』です。ネットワーク運用を高度化することで、突発的なトラフィック増加などにも柔軟な対処が可能になります。もう1つの軸は、エージェントAIやフィジカルAIが主役となるユースケースに求められるトラフィック特性・低遅延要件を満たすべく、ネットワークが計算・制御・知能の基盤となるように設計する『Network for AI』です。

    そしてこの低遅延・安定通信を実現する技術として注目されているのが『スライシング』です」

    スライシングとは、ネットワークの一部帯域を仮想的に分割(スライス)し、目的や用途に分けて利用する技術のこと。ネットワークを仮想的に分割・制御することでさまざまな品質要求に対応できるため、例えば「工事ロボットの遠隔操作」などリアルタイム処理が求められるものは低遅延、「通話やチャットなどのコミュニケーション」が必要なシーンでは安定性を優先するなど、柔軟な通信環境を構築することが可能です。

    なおスライシングは5Gの機能をフル活用するため、基地局とネットワーク設備のすべてを5G専用で構成した5G SA(Standalone)エリアのみで利用可能になります。

    パブリック網に“自社専用帯域”を。5Gワイド、ローカル5G TypeDに続く第3の選択肢「5Gスライシング」

    これまでNTTドコモビジネスでは、企業のネットワーク要件に合わせ、安定性の高い最適な通信環境を実現する「docomo business プライベート5G」(以下、プライベート5G)という法人向けプライベート/ローカル5Gサービスを提供してきました。

    プライベート5Gの既存メニューの1つである「5Gワイド」は、全国をカバーしているLTE/5G NSA(Non-Standalone:4Gのネットワーク設備を流用した5G)/5G SAの公衆網を一般ユーザーより優先して利用できるサービスです。わかりやすい事例としては、大規模マラソン大会でコース内の約50カ所に5Gワイドを用いた定点カメラを設置し、さまざまな通信方式が混在する広域エリアにおいて安定した通信を実現して警備や監視・運営に有効活用されるケースなどがあります。

    また「ローカル5Gサービス TypeD」(以下、TypeD)というメニューは、ユーザー企業の工場や施設内に基地局を設置し、ドコモネットワークを活用して帯域を確保するサービスです。主に高い安全・確実性が求められる環境下で優位性を発揮し、空港滑走路におけるローカル5Gを用いた除雪車の遠隔監視などで活用事例があります。

    今回、プライベート5Gの新たなメニューとして、スライシング技術を活用した法人向けサービス「5Gスライシング」をスタートし、よりきめ細かい要件に対応し、混雑時にも安定した通信環境を実現していきます。

    岩本は「道路に例えると、5Gワイドは『一般道路を救急車など優先車両が走る』イメージで、手軽に実現できますが、通信品質が変動する可能性があります。TypeDは『専用道路を敷設する』イメージで、高い品質が実現できますが、構築工数や膨大なコストが必要です。今回の5Gスライシングは、この2つの中間に位置づけられるサービスで、『キャリア網内の1車線を自社専用道路にする』イメージで利用できます」と説明します。

    5Gワイドで広範囲をカバーし、ミッションクリティカルなエリアをTypeDでカバーしつつ、主要領域を5Gスライシングで安定通信させることで、きめ細かく柔軟な安定通信環境を実現できるようになります。

    より安定した通信環境を、より手軽に実現。従来ソリューションとの比較

    NTTドコモビジネスは5Gワイドの提供を開始して約2年、さらにTypeDの提供を開始して約1年が経ち、これまで約260案件におよぶプロジェクトを手掛けてきました。TV・Web中継などで活用する放送業界や、IoT化・AI化が進む工場、サービス、運輸、自治体などから、「5GやLTEといった通信方式に関係なく、広域で通信を安定化できるので助かっている」(5Gワイドユーザー)、「従来のローカル5Gに比べて導入コストや設置スペースを削減できる」(TypeDユーザー)と一定の評価を得られた一方で、ネットワークに対してあったさらなる要望について、岩本は次のように説明します。

    「主なポイントは、『安定性向上』『柔軟性向上』『低価格化』の3点です。まず安定性については、ベストエフォート型ではなく、『帯域を一定確保した状態で通信したい』という強いニーズが寄せられました。柔軟性の面では、現在の『5Gワイド』プランのように定型的な契約期間にもとづいた運用だけでなく、『利用する場所や期間、通信容量をより自由に選択したい』という声が多く寄せられています。価格面においては、特にTypeD構築の際に必要となる初期投資の負担を軽減し、『より手軽に導入したい』というご要望も目立っています。

    こうしたユーザーの声にお応えするのが、今回の5Gスライシングです。これまでのご要望にお応えする『第3の選択肢』として、ぜひ本サービスを活用してもらいたいと思っています」

    料金体系は、工場や駅・空港など常時高い安定性が求められるときに最適な「常時利用プラン」と、イベントやスタジアム中継など必要なときに必要な分だけ帯域を確保できる「予約利用プラン」の2つ。予約利用プランは1週間単位での申し込みが可能です。

    具体的な金額については、利用する基地局(セル)の数や確保する帯域幅、期間、場所の混雑度に応じて、5Gワイド/TypeD/5Gスライシングの3サービスを適宜併用しながら変動する“オーダーメイド型”で、岩本は「ホテルの部屋代のように、場所と容量を借りるイメージの価格設定になります」と説明しました。

    高負荷検証で違いが明らかに。AI時代の「選ばれるネットワーク」提供に向け、さらなる進化を

    記者発表会では、4K動画を用いて都内数カ所で一般通信/5Gワイド/5Gスライシングの通信比較実験を行った動画が紹介されました。SA方式でエリア化されているお昼時の新宿駅西口や渋谷区表参道付近では、一般通信に比べて5Gワイドや5Gスライシング端末の方がスムーズに再生できました。特に屋外イベント実施中だった表参道エリアでは、フルHD動画などであれば通常遅延なく再生可能な5Gワイドでも徐々に遅延が発生しましたが、5Gスライシング端末では安定して4K高画質映像を受信することができました。

    一方、NSA方式のエリアである立川駅周辺では、通勤時間帯の混雑した環境下で5Gワイドがもっとも安定した通信を実現しました。岩本は「このように、エリアの特性に応じて最適な安定通信サービスを組み合わせられるため、さらに広範囲で安定した通信が可能になります」と説明します。

    さらに会場では、5Gワイド/5Gスライシングの2パターンで4K映像の撮影・アップロード・受信のデモを実施。会場内のネットワークへ意図的に負荷をかける特殊な端末を数十台稼働させ、上り通信が非常に逼迫した混雑環境を再現する中、4K映像を約20Mbpsで送信し続けたところ、5Gスライシング端末がより安定して動画を送受信できることがわかりました。


    デモ終了後、多くの記者から関心を寄せられたのが、5Gスライシングの品質における「最低通信速度の保証」や「低遅延性」についてです。岩本は「電波環境によって状況が異なるため、最低通信速度の保証は難しいのですが、期待する声も多いので、まずは安定性にプライオリティを置きつつ、通信速度の最低保証や低遅延スライスの実現についてもこれから検討していきたい」と答えました。

    NTTドコモビジネスは、本サービスを、AIが現実世界のデータを処理・活用する「フィジカルAI時代」の重要なインフラと位置づけています。岩本は「まずは定点的なユースケースから実績をつくり、ユーザーの要望に応じてSA基地局の新設とセットで提案していきます」とし、AI時代の「選ばれるネットワーク」としての地位確立を目指し、今後は高度なセキュリティ機能を備えたIoTサービス「docomo business SIGN」との連携も視野に入れ、産業利用における安全性と利便性をさらに高めていく方針です。

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