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Generative AI: The Game-Changer in Society

2026.03.27(Fri)

AIエージェントとは?生成AIとの違いや特徴、主な種類と注意点は?

ビジネスシーンのAI(人工知能)活用が加速する中で、近年は自律性を備えた「AIエージェント」が注目を集めています。ユーザーからの指示に応じて動作する従来型のAIとは異なり、AIエージェントはユーザーの目的を理解して自律的にタスクを実行できることが特徴です。

この記事では、AIエージェントに関する基礎知識や、企業にもたらされるメリット、導入時の注意点などを解説します。今後、AIエージェントを活用した業務効率化や生産性向上の施策を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次


    AIエージェントの基礎知識

    はじめに「AIエージェント」に関する基礎知識をお伝えします。ビジネスシーンで活用が始まり注目されている先端テクノロジーについて、改めて基本から確認してみましょう。

    ●AIエージェントとは?
    「AIエージェント」とは、ユーザーの目的を理解して、人の代わりに自律的にタスクを実行するAIのことです。ユーザーが詳細な指示を出さなくても、AIが自ら情報を収集して判断を行い、必要な作業を進めます。たとえば、ユーザーが「今週の営業会議の資料を作成して」と依頼すると、AIエージェントが過去のデータを参照して営業会議に必要な情報を集めて、資料の形式に整理するということが可能です。AIエージェントは今後も進化を遂げ、ビジネスの幅広い領域へ活用の場面が広がると期待されています。

    なお、NTTドコモビジネスでは、各種業務に特化した20種類のAIエージェントを活用した業界別ソリューションサービスを提供しています。各AIエージェントは「情報検索」「データ分析」「文書作成」「業務自動化」「コミュニケーション」の5つのカテゴリーに分かれており、うまく組み合わせることで、「金融業のセールス業務」「製造業の知財業務」のような特定業種・業務向けのソリューションを作り、顧客企業ごとにカスタマイズして提供可能です。AIエージェントによる生産性向上や競争力強化をご検討中の方は、お気軽にNTTドコモビジネスまでお問い合わせください。

    ●AIエージェントと生成AIの違い
    AIエージェントとよく似たテクノロジーとして「生成AI」が挙げられます。生成AIとは、文章・画像・動画・音声などのコンテンツを自動で生成し出力するAIのことです。AIエージェントと生成AIには、以下のような違いがあります。

    項目 AIエージェント 生成AI
    特徴 ユーザーとのやりとりを通じて業務を自動化できる ユーザーからの指示でコンテンツを生成できる
    用途 「データ分析」や「意思決定の支援」など、多岐にわたる用途で活用できる 文章・画像・動画・音声などのコンテンツ生成で活用できる
    運用方法 一度の指示で、能動的(自律的)に動く 指示に応じて受動的に動く
    強み 長期的な処理や複雑な業務を自動化できる 高速かつ柔軟にアウトプットできる
    活用例 *カスタマーサポート
    *自動運転
    *チャットボット
    *音声アシスタント
    *営業支援
    *自動資料作成 など
    主な生成AIサービスの例
    *ChatGPT(OpenAI社)
    *Gemini(Google社)
    *Claude(Anthropic社)
    *DALL-E(OpenAI社) など

    AIエージェントと生成AIは、用途・運用方法・強みがそれぞれ異なります。AIエージェントはユーザーとのやりとりを通じて業務を自動化できる点が大きな特徴です。一度の指示で能動的に動けることから、カスタマーサポートをはじめとした領域で幅広く活用されています。一方、生成AIの主な用途はコンテンツ制作です。ユーザーの指示にもとづいて動き、指示されたとおりのアウトプットを高速かつ柔軟に行います。自社の目的に適したAIソリューションを選定するとよいでしょう。

    ●AIエージェントの仕組み
    AIエージェントが目的を達成する際は、まずセンサーを用いて外部環境の情報を取得して、データにもとづいて最適なアクションを選択し、アクチュエーター(=駆動装置)によって物理的に実行する仕組みとなっています。こうした意思決定メカニズムによって、AIエージェントは自律的に行動できるようになっています。

    AIエージェントの特徴・メリット

    ここでは、AIエージェントの特徴やメリットをご紹介します。AIエージェントを活用すると企業にどのようなメリットがもたらされるのか確認してみましょう。

    ●自律的にタスクを遂行できる
    AIエージェントには、設定された目的へ向けて自ら判断し、行動を選択する能力があります。自律的にタスクを遂行できるため、業務効率化の施策に効果的です。状況に応じて実行手順を変えたり、優先順位を調整したりと柔軟に対応できます。たとえば金融市場のトレーディングのような場面では、市場動向をリアルタイムで分析して最適な取引を行えます。

    ●タスクを自動化して生産性向上・コスト削減につながる
    AIエージェントは反復的な作業や大量のデータ処理の自動化に適しています。タスクを自動化して人間の労力を削減し、作業時間の大幅な短縮による生産性向上や、人件費のコスト削減などを実現できます。具体的には、カスタマーサポートにおける顧客対応の自動化や、経理業務におけるデータの自動入力などの場面で強みを発揮できるでしょう。

    ●継続的に学習しながら適応する
    AIエージェントは、継続的に学習しながら自己改善を繰り返し、徐々にパフォーマンスを向上させることが可能です。そのため、最新のデータにもとづいて柔軟に環境へ適応しながら、行動を最適化させる業務に適しています。具体的には、パーソナライズやカスタマーサービスの品質向上に貢献し、顧客の満足度をさらに高められます。

    ●他のAIやシステムと連携できる
    さまざまな外部ツールやシステムをAIエージェントと連携させることで、より幅広い業務を自動で遂行できるようになります。また、複数のAIエージェントを連携させることで、より大規模かつ複雑なタスクをこなせる「マルチエージェントシステム(MAS)」として動作させる方法もあります。

    ●ノーコードやローコードで構築できる
    社内に高度なITスキルを持つ社員が不足している場合は、誰でも簡単にAIエージェントを構築できる「ノーコード」や「ローコード」のAIエージェントサービスを選ぶとよいでしょう。プログラミングの専門知識やスキルがなくても、簡単な操作のみで自社の業務に特化したAIエージェントを構築し、運用することができます。

    ●ヒューマンエラーを防げる
    AIエージェントを活用して定型的な業務プロセスを自動化すると、効率的に仕事を進められることに加えて、ヒューマンエラーを防止する効果が期待できます。AIは大量のデータ処理をはじめとした定型作業を正確にこなすことが可能です。手作業によるミスを防ぎ、正確かつ速やかに業務を遂行できるようになります。

    ●パーソナライゼーションにより顧客体験(CX)を向上できる
    AIエージェントにユーザーの嗜好を学習させると、一人ひとりのニーズに合わせてパーソナライゼーションの精度を高めることが可能です。たとえば「ユーザーがよく聴いている音楽ジャンルを把握して、興味がありそうな音楽イベントのチケット購入をおすすめする」といった形で、顧客体験のさらなる向上が期待できます。

    ●大量のデータから情報を抽出できる
    自社が保有する大量のデータの中から必要な情報を抽出したり、分析したりする場面でもAIエージェントが活躍します。たとえば、「AIエージェントに市場動向を分析させて商品の需要予測を行う」といった活用方法が挙げられます。自然な対話の流れで誰でも簡単に分析を依頼できるため、データ分析業務の属人化を解消できます。

    ●24時間365日対応できる
    AIエージェントは自動で稼働できるため、カスタマーサポートに導入すれば24時間365日いつでも問い合わせ対応ができる体制を構築できます。企業の営業時間外でもAIエージェントが自動対応し、顧客の自己解決を促すことが可能です。顧客の利便性が高まり、カスタマーサポートの満足度向上につながります。

    AIエージェントに関して詳しくは以下の関連記事でも解説しています。本記事と併せて、こちらもぜひお読みください。

    AIエージェントの種類

    AIエージェントは、大きく以下の種類に分けられます。

    *反応型エージェント(単純条件反射エージェント)
    *モデルベース型エージェント
    *目標ベース型エージェント
    *効用ベース型エージェント
    *学習型エージェント
    *階層型エージェント

    ここでは、それぞれのAIエージェントの特徴や主な活用場面などをご紹介します。

    ●反応型エージェント(単純条件反射エージェント)
    あらかじめユーザーによって定義されたルールに従って動作する、もっともシンプルなタイプのAIエージェントです。外部からの入力に対して、事前に決められた反応を即座に行います。具体的には、特定のキーワードや質問に応答するチャットボットやFAQシステムなどが挙げられます。簡単なタスクを速やかに処理する場面に適している一方で、複雑かつ柔軟な判断を求められる高度なタスクには向きません。

    ●モデルベース型エージェント
    内部に保存された環境モデルや、現在の環境情報などにもとづいて意思決定を行うタイプのAIエージェントです。過去の環境情報を活用および更新することで、環境の変化に応じて最適な行動ができるという特徴があります。主な活用シーンとして、自動運転車や設備管理などが挙げられます。メモリーに保存された情報を利用して、「反応型エージェント」よりも高度なタスクをこなせます。

    ●目標ベース型エージェント
    特定の目標を達成するために、最適な行動を選択するタイプのAIエージェントです。目標達成へ向けた行動の結果を予測および推論することで、複数の選択肢の中から最適な行動を選び出し、柔軟な意思決定を行います。具体的な活用場面として挙げられるのは、目的地までの最適なルート選択を行うナビゲーションや、参加者全員にとって最適な日程を見つけるスケジュール調整などです。

    ●効用ベース型エージェント
    特定の目標を達成するとともに、効用(結果)を最大化するために最適な行動を選択するタイプのAIエージェントです。目標達成につながるシナリオが複数あるケースにおいて、もっとも効用が大きくなる選択肢を提示できるため、ユーザーの満足度向上が期待できます。たとえばナビゲーションの場面では、「最短時間で着くルート」「費用を最小限に抑えるルート」「渋滞を回避するルート」などを提示することが可能です。

    ●学習型エージェント
    過去の経験から学習を行い、改善を繰り返すことでパフォーマンスを向上させるタイプのAIエージェントです。タスク実行を繰り返し行う中で、AIエージェントが経験にもとづいて柔軟に自己改善を行い、最適な行動パターンを見つけていきます。具体例として挙げられるのは、ECサイトや動画配信サービスなどのレコメンデーション機能です。ユーザーの好みや行動を繰り返し学習しながら、パーソナライズの精度を高められます。

    ●階層型エージェント
    上位層から下位層まで、複数の階層に分けて意思決定を行うタイプのAIエージェントです。たとえば、上位レベルのエージェントが戦略や計画を立案し、下位レベルのエージェントがタスクを実行するといった形で役割を分担し、目標達成へ向けて組織的に動作します。これにより、複雑かつ大規模な意思決定や管理を実現可能です。具体的には、生産ラインや倉庫の管理をはじめとした領域で役立てられています。

    AIエージェントを導入する際の注意点

    AIエージェントを導入する際は、自社の大切な情報資産を守り適切に運用するためにも、以下のポイントに注意しておきましょう。ここでは、AIエージェントを導入する際の注意点をお伝えします。

    ●セキュリティ対策やプライバシー保護の施策が必要になる
    業務にAIエージェントを導入する場合は、自社の機密情報を取扱う際のセキュリティリスクや、顧客や取引先の情報にアクセスする際のプライバシー侵害などが課題となります。社内外の重要な情報を安全に取扱うためにも、セキュリティ対策の強化やプライバシー保護の施策が不可欠です。たとえば「適切なアクセス権限の設定」「暗号化技術の導入」「従業員に対するセキュリティ研修の実施」「定期的な監査」などに取組むとよいでしょう。

    ●意思決定のプロセスが見えにくくなる
    AIエージェントに意思決定を任せることで、社内の意思決定プロセスが見えにくくなるおそれがあります。また、AIエージェントは誤った結論を出したり、事実にもとづかない情報を生成したり(=ハルシネーション)する可能性があります。そのため、重要な意思決定の場面ではAIエージェントに丸投げをせず、必ず人間が最終的なチェックを実施し、組織として不適切な意思決定を行わないよう透明性を高めましょう。

    ●法的責任の所在を明らかにする必要がある
    ビジネスシーンでは、法律・医療・金融をはじめとした法的責任を問われる領域での判断について、責任の所在を明確にする必要があります。一方、現状はAIエージェントが自律的に判断した場合の責任の所在について、法的なルールの整備が行き届いていません。そのため、法的責任の所在を明らかにするべき場面では、AIエージェントの判断に対して人間が評価を行うといった形で監視し、倫理的に適切に運用する体制を整備するとよいでしょう。

    ●学習データの質により品質が変わる
    AIエージェントのパフォーマンスを向上させるためには、質の高い学習データを用意する必要があります。場合によっては学習データの準備に多くの時間と手間がかかり、トレーニングのコストが高くなる可能性が考えられるでしょう。また、万が一学習データに誤った情報や倫理的に不適切な情報が含まれる場合は、AIエージェントがユーザーに対して有害な提案を行うリスクが存在します。

    ●専門的な知識・スキルを持つ人材が必要になる
    自社に適したAIエージェントを導入し、適切なメンテナンスやチューニングを継続的に実施するには、ITに関する高度な知識とスキルが求められます。社内でAIエージェントを有効活用するためにも、まずは先端テクノロジーの専門知識やスキルを持つIT人材を確保することが重要です。IT人材は採用市場におけるニーズが高く、育成や採用には多くのコストがかかる点に留意しておきましょう。

    AIエージェントの活用で業務プロセスの効率化をめざしましょう

    ここまで、AIエージェントに関する基礎知識、企業にもたらされるメリット、導入時の注意点などをご説明しました。AIエージェントは自律型であるため、ユーザーは詳細な指示を出すことなく、目的の達成へ向けた一連のタスクをAIに任せられます。導入によって業務プロセスの大幅な効率化や社員の生産性向上といった効果が期待できます。その一方で、現状はAIエージェントの運用においてセキュリティ上の問題や倫理的な問題が少なくありません。業務で使用する際はご紹介した注意点を参考に、AIエージェントの適切な運用を心がけましょう。

    NTTドコモビジネスでは、お客さまの多様なニーズに応じて、最先端のAI技術を活用した幅広いソリューションをご提供しています。ビジネスの問題解決へ向けて、お客さまの事業に最適なAI導入を個別に支援いたします。AIエージェントの導入を検討している方は、どうぞお気軽にNTTドコモビジネスまでお問い合わせください。

    NTTドコモビジネスの取組み AI
    https://www.ntt.com/index.html

    生成AI(Generative AI)
    https://www.ntt.com/business/dx/smart/generative-ai.html

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