01
Hyper connected Society
2025.02.26(Wed)
この記事の要約
本プログラムは、NTT ComのIoT プロダクトとパートナー企業のソリューションの組み合わせによって、新しいサービスやソリューションの創出をサポートします。IoTの活用を検討している企業に対し、相談窓口の設置、勉強会の開催、検証環境の提供、プロモーション等のサポートを提供します。本プログラムの強みは、共創パートナー数6,300 社という「実績と経験」、共創を支える「多様なプロダクト」、パートナー企業を支える63 拠点からなる「全国の支援体制」です。NTT Comは引き続きパートナー企業へ支援を強化し、パートナー企業とともにIoTを活用した価値創造を推進していきます。
※この要約は生成AIをもとに作成しました。
目次
「テクノロジーと人間力で新しいつながりを生み、心躍る価値創造で、世界を豊かに、幸せに。」――これは2024年9月に刷新されたドコモグループビジョンです。冒頭に登壇したNTT Com 5G&IoTサービス部長の藤間良樹は、今ニーズが高まっているIoTを活用したビジネスについて、「つなぐ」をキーワードに次のように語ります。
「NTT Comの強みは『つなぐ』ことを通じて社会課題解決や新たな価値を創っていくことです。この『つなぐ』というワードには、NTT Com、1社だけで価値を生み出すのではなく、パートナーの皆さまとのビジネスをつなげ、社会課題を解決する新たな価値をともに創造し、産業DXを推進していきたいという思いが込められています。
その『つなぐ』技術として注目されているのがIoTです。IoTの実装は検討要素が多岐にわたり、長期の検討が必要になるため、IoTを実装したくてもなかなか難しいと感じる企業も少なくありません。そこでNTT Comは、IoT実装に向けたサポートを行い、パートナーの皆さまと一緒に産業や社会を変えていきたいと思っています」
続いて登壇したIoT Partner Program担当の磯和七海からは、IoT実装におけるNTT Comの強みや優位性について説明がありました。
「さまざまなIoT商材の中から最適なプロダクトの組み合わせをご提案するとともに、開発時の技術支援やサポート、パートナーの皆さまとの共創プロダクトのプロモーション活動の支援などを行う本プログラムですが、本プログラムは、弊社ならではの3つの強みを活かして推進していきます。
第1に、これまで約6,300社の企業の皆さまとパートナープログラムで共創を推進してきた実績と経験があること。第2に、共創を支えるプロダクトとしてIoTや5G、AIなど多岐にわたるプロダクトを展開していること。第3に、全国63の拠点を通じて日本全国のパートナー企業の皆さまをサポートできる体制が整備されていることです。これらの強みを活かし、検討から開発、プロモーションに至る共創プロジェクトを並走し、一貫したサポートを提供します」
同じくIoT Partner Program担当の五十嵐雄也からは、具体的なサポートメニューの紹介がありました。
(1)共創案件創出サポート
企画開発のヒントになるパートナー企業向けの技術勉強会やイベント、また共創に関する「よろず相談」などを展開します。商品・サービスの企画ご担当者を中心に、新しいアイデアやヒントの収集に活用してもらえます。
(2)テクニカルサポート
製品の試作・開発に向けた技術のサポートを全般的に行います。具体的には、無線技術と開発ノウハウを活かしたデバイス開発支援を行うほか、検証環境やリソースの提供、技術相談などが挙げられます。開発部のエンジニアのお悩みやご相談に対応します。
(3)販売サポート
本プログラムのWebサイトや展示会などでNTT Comと共創したパートナー企業の商材をご紹介します。
本イベントでは、NTT Comの持つ多様なIoTプロダクトの中からパートナー企業との共創実績があるIoT商材3点の紹介がありました。
(1)製品IoT化パック
IoT化に必要なコンポーネントの選定や、設計/構築部分を大幅に短縮して既存の製品をIoT化できるパッケージ商材です。製品IoT化パックはすでに清掃ロボットや水処理装置での実績があり、遠隔監視やタイムリーな保守サービスを実現しています。今日の製造業では、付加価値向上に向けて高度な保守メンテナンスや製品データをもとにした製品開発などビジネスモデルシフトが課題となっており、そのための早急な製品IoT化が必要になっています。製品IoT化パックは、IoT化の際の通信環境の整備、データ収集・可視化までのインフラ保守部分からも解放される、製造業に向けたソリューションです。
製品状態を監視・可視化するクラウドサービス「IoT Platform」と、クラウドに低コストで安全に接続できる「Network Gateway」、そして製品に装着するだけでモバイル対応を実現する「モバイル回線(SIM)」が1つのパッケージとして構成されており、初期費用はかからず低コストでモバイル回線・クラウド接続・デバイス管理クラウドサービスを利用できます。手軽に製品のIoT化を実現できるだけでなく、管理画面などの設計・開発工数の大幅短縮、システム保守が不要といったさまざまなメリットがあります。
(2)docomo MEC®
docomo MECは、ドコモネットワーク内に配置したサーバー(IaaS基盤)とMECサーバーへのダイレクトなアクセスを可能にする回線サービス(MECダイレクト®)を提供するMulti-access Edge Computing(MEC)サービスです。キャリア最多(2025年1月現在)の12拠点にMECサーバーを配置し、これまでにさまざまな業界において300以上の活用実績があります。 その中で今回紹介されたのは、建設業界での活用です。
建設業は急激に高齢化と人手不足が進んでおり、ほかの業界と比較して年間労働時間が長いという課題を抱えています。近年は働き方改革への対応もあり業務量に対して人手が足りず、人材の確保が難しくなっています。docomo MECを活用し、ベテランの建設機械操作者がオフィスから遠隔で操作できるように整備することで、生産性向上が期待できます。実際にdocomo MECは、建設機械メーカーや建設業界向けソリューション企業とパートナリングを組んで低遅延・高画質の映像伝送による建機遠隔操作ソリューションを開発、検証を進めています。
さらにMECダイレクト機能により、閉域モバイル通信を手軽に実装することが可能です。高セキュアかつ低遅延な通信環境を煩雑な設定をせずに構築できるため、医療業界や屋外でのドローン飛行、コンテンツ配信などでも活用が期待されています。
(3)docomo IoT高精度GNSS位置情報サービス
docomo IoT高精度GNSS位置情報サービスは、全国に設置された国土地理院の電子基準点やドコモ基準点でのGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)観測データをもとに位置補正情報を利用して測位するサービスです。
GNSSでは誤差数センチという精度の高い位置測定が可能です。この高精度な位置情報の把握により機器の自動化の安全性が向上し、点検作業の効率化やさまざまな機器の遠隔操作が可能になります。農業機械の正確な自動操舵による農作業の無人化や自律走行ロボットによる芝草刈り作業、高精度な3Dスキャンによる測量作業やドローン自動配送に活用されています。
多数の実例の中から、NTT Comとともに自律走行芝草刈りロボットを開発したチュウブの宮池史章氏と、NTT ComのGNSS 担当の野村陵斗によるトークセッションが開催されました。以下、両社がどのように開発を進め、共創に取り組んできたのか、トークセッションの模様をお届けします。
野村:自律走行型の芝草刈りロボットを必要とされたきっかけを教えてください。
宮池氏:弊社はゴルフ場や球場などさまざまな施設に天然芝を納入しています。天然芝は、マイクロプラスチックの海洋汚染リスクがある人工芝と比べると環境に優しいものの、施設側は定期的な芝草刈りなどの手入れに工数・コストがかかるという課題がありました。
この課題解決に向けて、位置情報を活用して自律走行する芝草刈りロボットを開発しようと考えました。GPSだと数十メートル単位で誤差が出ることもあり、自動走行を目的とした場合には精度が低く、安全のために作業範囲を指定するためのワイヤーの埋没工事が必要になるケースもあり、お客さまに受け入れられにくいです。お客さまのご要望に応えるためには高精度な位置測定が必要で、安全に隙間なくきれいに芝を刈るにはGNSSが不可欠だったのです。
野村:そこで今回、NTT ComのGNSSサービスを選択されたわけですが、選ばれた理由についてもう少し詳しく教えてもらえますか。
宮池氏:他社さんが抽象的な情報しかない印象のなか、NTT Com さんは具体的に多くの情報が開示されており、わかりやすくて安心感があったのを覚えています。
野村:GNSSサービスは目に見えないサービスなので、Webサイトでは初心者の方でも理解しやすいコラムなどの解説コンテンツの内容を充実させています。パートナー企業から評価してもらえて良かったです。芝草刈りロボットはチュウブさんのお客さまの施設で稼働しているそうですが、どのような効果が出ていますか?
宮池氏:芝草刈りの人手が削減できるため、さまざまな効果が出ています。例えば、球場の外野の芝草刈りをロボットが行うことで、内野のグラウンド整備に人手を割くことができますし、ほかの施設でもロボットの芝草刈り中に木の剪定を行うことで生産性が上がりました。また、一般の方からは「今まででグラウンドが一番きれい」と言われることもあり、コスト削減以外の部分でもお客さまからも喜びの声をもらえています。
野村:本件はNTT Comにとっても新しい分野の共創だったのですが、最初にNTT Comに対して抱いた印象についても聞かせてください。
宮池氏:芝草刈りロボットは海外メーカーから輸入しているのですが、ロボットをカスタマイズする上でメーカーが必要とする情報をいつも迅速に回答してもらい、スピーディーに開発を進めることができました。最初は技術的なことを伺いたいと思って電話をしたのですが、GNSSサービスの担当の方からすぐに具体的なご回答をもらえたので、話がスムーズに進んだことをよく覚えています。
また、試用期間を設けてもらい、国内のさまざまな場所で接続試験を行ったのですが、実際に使う現場で導入前に高精度な位置情報の品質を改めて確認できた点も良かったです。
野村:ありがとうございます。導入に向けたユーザーサポートは普段から展開していて、接続テストも行っています。利用場所や環境で精度が異なるため、現場での精度検証のために無償で検証用アカウントを2週間貸し出しています。さらに本プログラムでは、GNSSサービスがパートナー企業の製品に適合して導入できるかなどのご相談の場を設けていますので、ぜひご活用いただければと思います。
宮池氏:GNSSサービスにより、芝草刈り後の芝の上には本当に正確なストレートな直線が描かれているので、グラウンドのユーザーも驚くほどです。現場で喜ばれる製品になり、私たちもうれしく思っています。
野村:ありがとうございます。逆に、何か課題はありますか?
宮池氏:GNSSサービスの特性上、樹木が多い場所や曇り空の時は精度が落ち、ロボットが一時停止することがあります。また、芝草刈りは時季が限定されているので、冬の間は稼働しないことがありますが、そういう時にどう活用できるかは検討していきたいです。
野村:最初に挙げられた課題は、GNSSに共通する課題ですね。NTT Comとしては、うまく位置情報を取得できない時の技術サポート、接続履歴の調査によるエラーの確認、有効な対処法の提案など、その都度の柔軟な支援を行っていきます。
また本プログラムでは、さまざまな課題に対してパートナー企業の皆さまとともに取り組んでいきます。今回もらったご意見についても、二人三脚で解決に向けて取り組んでいけるとうれしいです。
宮池氏:ありがとうございます。実際にお客さまから高い評価をもらえており、私たちもこの製品について多くの方々に知ってもらいたいのですが、なかなか弊社だけではそうしたプロモーションのリソースが足りないので、その点でもNTT Comには期待しています。今後もパートナーとして、連携を強化できるとうれしいです。
野村:お客さまに安心して提案・販売してもらえるよう、GNSSの民間基準点の拡充や技術サポートの充実、プロモーションサポートなど、今後もあらゆる面でご支援させてもらえたらと思います。
NTT Comでは、パートナー企業の商品・ソリューションの付加価値向上に向けたIoT化を全面的に支援し、これまでにないイノベーションをパートナー企業の皆さまと創り上げていきます。本プログラムにご関心がある方は、ぜひこちらからお問い合わせください。
●IoT Partner Programのお申し込み・詳細はこちら
https://www.ntt.com/business/lp/biz_iot-partner.html
【関連ウェビナーのお知らせ】
OPEN HUB
ISSUE
Hyper connected Society
IoTがつくる ”超接続社会”