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Co-Create the Future
2024.08.05(Mon)
この記事の要約
この対談は、創造的なアイデア生成と仮説思考に関する佐久間宣行氏の考えを中心に展開しています。
良質なアイデアは、良質な仮説から生まれると主張する佐久間氏は、ネガティブな仮説を基にYouTubeでの独自コンテンツを展開。日常的にさまざまな分野で仮説を立て、検証・修正を繰り返すことが重要と話します。
長期的な視点でのインプットが将来のアイデアの源泉となること、そして、メディアや世代による「分断」を意識し、自身の理解の限界を認識することが大切であり、多様な評価を考慮し、柔軟に修正を加えながら進める姿勢が必要です。
業界の過渡期において、共に課題を乗り越えるきっかけづくりを目指すため、創造的思考と実践的なビジネスアプローチについての洞察を読者に提供します。
※この要約は生成AIで作成しました。
目次
戸松正剛(以下、戸松):佐久間さんにご登壇いただくイベントでは、組織の中で「時代を捉えたアイデア」を発想し、形にしていくためのポイントを深掘りしていきたいと思いますが、佐久間さんが日ごろから意識していることはありますか?
佐久間宣行氏(以下、佐久間氏):よほどの天才でない限り、良質なアイデアを生み出せるかどうかは、その準備段階で「良質な仮説をつくれるか」にかかっていると思います。
例えば、何らかの課題があるなら、「〇〇を変えれば良くなるのでは」とまずは自分なりの仮説を立ててみて、それを実現するためのアイデアを考え始めるのです。仮説のない状態で浮かんだアイデアは、たとえ面白くても軸がブレやすい。だから筋の良いアイデアを成立させるための材料として、良い仮説をつくる必要があると考えています。
戸松:ご自身が手がけるコンテンツも何らかの仮説からスタートしているのでしょうか?
佐久間氏:僕の場合は大体ネガティブな仮説が多いのですが(笑)、YouTubeを始めるときもそうでした。1つの仮説は、ルッキズムの世界といえるSNSで“おじさん”が注目を集めるのは難しいということ。もう1つは、YouTubeだけで勝負して結果を出している人たちの中に、ほかのメディアから参入していくのは圧倒的に不利だということ。
この2つの仮説にもとづいて僕がYouTubeでしかできないことは何かと考えて、「テレビではやりたくてもできないようなちょっと過激な企画をやってみたらどうだろう?」という感じで、ブルーオーシャンを模索しながらアイデアを膨らませています。
戸松:仮説の良し悪しで結果が決まってくるとなると、仮説自体のクオリティをいかに高めるかが大事だと思いますが、何かコツはあるのでしょうか?
佐久間氏:僕は元々考えることが好きなので、世の中のいろいろな動きを見て仮説を立てています。例えば、1つのアニメがヒットしたら、そこからどんな潮流が生まれるのか、似たようなアニメが出てきたら当たるのかどうか、などですね。その後も仮説の検証、修正を繰り返していく癖がついているので、自分がいざその業界に参入するときに、ある程度の知見と仮説を持っている状態であることが多いのです。実際、そういう仕事はうまくいっていますね。
戸松:テレビに限らず、あらゆるジャンルを仮説思考で見ているのですね。
佐久間氏:いずれ配信の時代が来ることは明らかだから、テレビに限らず強いコンテンツをつくれる人間になっておいたほうがいいだろうな、とか、CDが売れなくなって、この流れが映像業界にも来たらどうなるのだろう、みたいな、いつも“少し先の未来”を考えるバックキャスティングを続けてきた感じですね。
戸松:日ごろのインプットで大事にしていることはありますか?
佐久間氏:実はインプットがそのまま役に立ったことってあまりないのです。面白いと感じたものに影響されてつくったものってほぼパロディになってしまう。なので、常に新しいものに触れてはいるけれど、今見て楽しんだ記憶はいったん引き出しの中にしまって、それがいい感じに醸造されて4~5年後の自分を助けてくれる、そんなイメージですね。
戸松:コツコツ積み重ねていればいつか役に立つ日が来るかもしれないと。
佐久間氏:なぜこれが大事かというと、仮説を立てて「じゃあこっちに行ってみよう」というときに、「あのネタ使えそうだな」とアイデアの源泉になることがあるからです。直近1~2年で見たものがすぐに役に立った経験はほとんどないので、やはり日々の蓄積が大事なのだと思います。
戸松:アウトプットについてもお聞きしたいのですが、さまざまなコンテンツをつくっていく過程で、佐久間さんが難しいと感じるポイントはありますか?
佐久間氏:メディアや世代ごとにトンマナや行動ベースが全然違って、「分断」の時代だなと思うことが多いですね。40代の僕にはまったくわからないことが多いから、「わかった気になって仕事をしない」というのは気をつけています。「わからないことがある」とわかった上で仕事をしていれば、そこに対してのバッファができるというか。
戸松:なるほど。
佐久間氏:僕がやっているラジオやYouTubeやテレビのファンはそれぞれまったく違う人たちかもしれないし、その感想をSNSで語っているのはさらに違う人たちかもしれない。だから、どれか1つの評価だけに影響されてはダメだと思っているし、見ている人に対して「わかってくれるでしょ」という姿勢も絶対にダメ。自分で立てた仮説を信じすぎないというか、「これじゃダメだ」と気づいてどんどんアジャイルに修正していく、その繰り返しですね。
戸松:最後に、9月4日のトークイベントの来場者や、読者の皆さんに向けてメッセージをいただけますか。
佐久間氏:今あらゆる業界が過渡期にあると思いますが、僕自身もめちゃくちゃ悩みながら仕事をしています。今回のイベントを通じて、何かを乗り越えようとしている人たちと一緒に、それを乗り越えるための良いきっかけをつくることができたらいいなと思っています。
戸松:ありがとうございます。イベントでは、フィルターバブルを回避する独自の情報収集方法や、組織の中で企画を通すノウハウなど、時代を捉えてアイデアを発想し、形にしていく秘訣について深掘りしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!
<佐久間さん登壇イベントのご案内>
2024年9月4日(水)に本記事登場の佐久間宣行氏をゲストにお迎えし、ヒットメーカーならではの発想、仕事術をクロストークや質疑応答を交えながら語っていただくイベントを開催します。
●イベントへのご応募はこちら(申し込みには会員登録が必要です)
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