Co-Create the Future

2024.05.01(Wed)

ブレイクスルーをもたらすのは究極の"自分ごと化"
フェムテック事業を実現するための思考とは?

#共創 #ヘルスケア #データ利活用
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が2023年1月に立ち上げた、フェムテック領域に携わる企業同士の連携を生み出すコミュニティー「Value Add Femtech Community」。これまで、3回のワークショップを通して、女性が抱える課題解決のための事業展開のアイデアを探ってきました。

2023年9月には、複数の事業や企業を横断しながら、新たな社会価値の創造に携わる人々に焦点をあてた「Forbes JAPAN Xtrepreneur Award」を受賞するなど、ますます盛り上がりを見せています。4回目のリアルイベントとなる今回は、「CES2024」で発表されたヘルスケアデバイスの紹介や、大企業におけるフェムテック事業推進の実例共有、それらを踏まえたワークショップを実施。アイデアを事業として社会や組織に実装していくために重要な視点が見えてきました。

この記事の要約

NTT Comが主催するフェムテック関連事業の共創コミュ二ティー「Value Add Femtech Community」。

第4回目のリアルミーティングとなる今回は、CES 2024の最新テクノロジーや大企業のフェムテック事業開発についての報告を踏まえて会員たちが意見を交わし、運営メンバーからはプロジェクトの成果や今後のコミュニティーにかける思いが語られました。

発足から約1年を迎えた同コミュニティー。これからも働く女性のために、包括的なサービスの創出と社会実装を目指します。

※この要約はChatGPTで作成しました

目次


    NTTグループをはじめ、多様な業界から総勢27社が集まった今回のリアルミーティング。前回から新たに12社が加わりました。
    冒頭では、NTT Comスマートヘルスケア推進室の鵜飼耕一郎が開会の挨拶として次のように述べました。

    鵜飼 耕一郎|NTT Com スマートヘルスケア推進室

    「2023年1月に12社だったコミュニティーでしたが、現在32社※まで参加企業が増えるとともに、NTTドコモをはじめ、NTTグループ各社も本プロジェクトに参加し、NTTグループのフェムテックプロジェクトとして取り組みが拡大しています。

    スタート当初のワークショップで出た女性の身近な悩みを解決するためのビジネスアイデアについて、今では会員企業のどのようなデータやサービスを組み合わせてユースケースを作るかなど、具体的な共創の実現に向けた話をしています。またビジネスの核となるモデルの効果検証の実施、そして企業の福利厚生サービスとして展開するための検討も一部開始しています。

    今年は、当初の目的である“すべての女性にWell Beingな社会を実現する”共創ビジネスモデルを、会員企業の皆さんと一緒に世に出していきたいと思います」
    ※2024年4月現在

    続いてNTTドコモ プロダクト戦略部の伴野聡が、2024年1月にラスベガスで開催された世界最大級のテックイベントCES 2024の最旬ヘルスケアデバイスをレポートしました。

    CES2024に見る、ウェルビーイングをかなえる最旬テクノロジー

    「海外のヘルスケアデバイスの動向〜CES2024より〜」と題した講演では、9つのデバイスが紹介されました。まずは、更年期の睡眠の妨げの原因となっているほてりを予測し、ベッドパッドを自動冷却するリストバンド型のデバイスです。バイタルデータの測定機能は数多く存在しますが、これは体の冷却まで包括した新しいデバイスで、快適な睡眠をサポートします。今後、アメリカの医療機器認定を取得予定だといいます。

    伴野 聡|NTTドコモ プロダクト戦略部

    また、アイルランドのスタートアップが開発した、更年期の初期症状を可視化するウェアラブルセンサーは、ほてり、睡眠状態、発汗状況などを計測し、医師に伝えるのが難しい更年期の初期症状を可視化することで、正しい診断を促進します。

    睡眠へのアプローチとしては、韓国企業によるいびきを軽減するAI搭載枕も紹介。いびきを検知すると内蔵のエアバッグが膨張し、気道を開いていびきを軽減する仕組みです。エアバッグ作動時間や睡眠スコアなどのデータ記録機能が評価され、CESのイノベーションアワードも受賞しました。

    また、生理や睡眠などの指標を計測することが可能な中国企業のリング型ウェアラブルデバイスや、メンタルヘルスに特化したオランダ企業のウオッチ型のデバイス、スイス企業による唾液からストレスチェックができる非侵襲型のデバイスも紹介されました。

    さらに、人の動きを代替・サポートするプロダクトとして、追従機能付きのAI搭載ベビーカーや歩行をサポートするウェアラブルロボットも登場。実際にこのウェアラブルロボットを現地で着用した伴野から「イメージとしては、初めて電動アシスト自転車に乗った時のような感覚でした」とのコメントが述べられました。

    デジタルヘルス領域でも注目度の高まるビューティーテック分野では、サムスン電子からスピンアウトしたベンチャー企業によるAI肌分析デバイスも登場。カメラで肌をスキャンし、スキンケア商品をレコメンドしてくれる仕様で、フェイスミラー型の端末やアプリでの提供が検討されています。

    ワークショップでは、具体的なデバイスの紹介からインスピレーションを得て、参加者たち自身のサービスとデバイスの組み合わせなどさまざまなアイデアが生まれていました。伴野からも参加者に「日本のお客さまに新しい価値を届けるために、必要なデータやデバイスに関する要望があれば、ぜひ相談してほしいです」と投げかけました。

    大企業で思いをかたちに。フェムテック事業推進のための5つのロジック

    TOTO特販本部の丸山智美さんが登壇し自身が立ち上げたフェムテックプロジェクト「ビデプラス」の紹介と、大企業での新規事業開発についての講演を行いました。

    「ビデプラス」は、丸山さんが書いた2019年度の社内懸賞論文(TOTOグループのブランド価値向上に寄与するアイデアの発掘・人財育成を目的とした活動)をきっかけに生まれたプロジェクトです。あらゆる世代の女性が健やかに、前向きに日々の暮らしを謳歌(おうか)することを目指し、ビデがデリケートゾーンケアの選択肢の1つになるよう活動しています。

    2021年のプロジェクト発足から、ビデ使用率向上のためのプロモーションや、初潮教育でのデリケートゾーンケアの啓発、SNSでの情報発信をはじめ、六本木ヒルズで開催された「Femtech Fes!」ではトイレをTOTOのウォシュレット®でジャックする啓発活動なども行いました。また、国内だけでなく、インドの女性建築家向けにデリーのショールームでセミナーを実施するなど、活動領域を広げています。

    プロジェクトを自発的にかたちにし、推進してきた丸山さん。大企業でアイデアを実現する上での苦労や、それをクリアするために実践したことをこう語りました。

    丸山智美|TOTO株式会社 特販本部 市場開発第二課

    「プロジェクト立ち上げの段階で、経営層に納得してもらえるかが1つのハードルですが、今回は懸賞論文を選出してもらうための伝え方を考え抜きました。そのために意識した5つのポイントを紹介します。

    1つめは、女性が課題を抱えることによる経済損失がどれくらいあるかなど、“社会課題からアプローチすること”です。それを踏まえ、2つめは“ニーズがある=ビジネスにつながる”と伝えること。3つめは、“既存商品・技術・販路が使える”ということ。それが、私の場合はウォシュレット®にすでに搭載されているビデ機能の活用でした。

    そして、4つめは、“男性ではわからないところを掘り下げること”です。デリケートゾーンケアといっても男性にはあまりピンとこない部分もあると思います。夫に何度も論文を読んでもらって、わかりにくいポイントを明確にしていきました。最後は“企業理念と結びつける”ということです。ビデを中心としたフェムテック事業には、『水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化を創造する』、というTOTOグループの企業理念を体現する意義があり、ビデという新しい文化を作っていけるんだ、ということを伝えました」

    また、専門家の監修のもとビデの使い方を定義・説明したビデガイドブックを制作した例を挙げ、事業における「定義づけと社外知見」の大切さ、さらには新たな文化を醸成していくための「社内向けの広報活動」の必要性も語りました。

    ナレッジ共有から見えてきた、女性にとって「必要不可欠」なソリューションの条件

    グループごとに実施したディスカッションでは、デバイスと新規事業推進を軸に、議論が広がりました。金融企業が集まったグループからは「今まで見えなかった更年期の初期症状がデバイスによって可視化されると医療と連携しやすい」という意見が上がりました。さらに、最近ローンチしたばかりの病院の待ち時間を減らす決済サービスの例を挙げ、「サービスやデバイスをつないでいくことで、病院に行くきっかけを作ったり、更年期症状で病院に行く心理的なハードルを下げたりできるのではないか」という意見が述べられました。

    また、製薬・医薬品メーカーやIT企業が中心のグループでは、ヘルスケアデバイスが医療機器とみなされる日本の法律のハードルの高さに触れつつ、「最近は排卵時期がわかるおりものシートが発売された例があり、医療機器とうまく切り分けてフェムテックプロダクトを作る方法もある」と新規事業の可能性を見いだしていました。

    人材開発企業やシンクタンクが集まったグループでは、女性の悩みは個人差が大きいことから、まずは悩みの声を集め、豊富なデータを蓄積することの重要性を示唆。個々の声から得られたインサイトが「あると便利」ではなく「必要不可欠」なソリューションやサービスを生み出すカギとなりそうです。

    最後に会員企業の事業説明として、生理管理アプリ「Lalune」を運営するメドレーとフェムテックショップ「FEMTECH LAB」などを運営するティーガイア、ヘルスリテラシー向上を目指すパーソルテンプスタッフが登壇。ティーガイアからは、「女性は年齢による体調の変化から何かを諦めることがある。生理で温泉やプールを諦めたり、更年期からくる体調不良のために働き続けることを断念したり。こうした “女性だから当たり前”という考えを世の中からなくしていきたい」という、このコミュニティーの根幹にも通ずるような思いが語られました。

    発足から1年。働く女性に寄り添い続けるコミュニティーとして

    これまで企業を横断しフェムテックの新たな可能性を生み出すことを目指してきたValue Add Femtech Community。本プロジェクトを率いるNTT Comスマートヘルスケア推進室の鵜飼耕一郎、ビジネスソリューション本部の河合詠美、内藤千紗子は、今回のリアルミーティング、そしてこの1年を振り返り、今後の展望をこう語りました。

    左:河合詠美|NTT Com Catalyst /Business Producer 第三ビジネスソリューション部
    右:内藤千紗子|NTT Com Catalyst /Business Producer 第一ビジネスソリューション部

    「プレ開催も含めこれまで5回の開催、5社ほどからスタートしましたが、回を追うごとに参加企業が増え、コミュニティーを起点にした共創も出てきています。発足から1年、個々の共創をどうやってビジネスモデルに昇華させるのかを考える段階まできました。そのために今年は、各企業のアセットやサービスを組み合わせたソリューションが、どうすれば本当に世の中に受け入れられ、使ってもらえるのかをドコモを交えて具体的に取り組んでいきます。ゆくゆくは働く女性のキャリアを支えるソリューションをつなぎ合わせ、健康課題から子育て、介護などのライフイベントまで、一生寄り添っていけるようなサービスをこのコミュニティーで作り上げたいと思っています」(鵜飼)

    「今日はティーガイアさんの“女性の悩みを諦めない”という言葉がとても印象に残りました。私自身、女性ならではの悩みを抱えながら仕事をしているなかで、健康を維持しながらキャリアを実現することの難しさに悩み、両立を諦めたほうがよいのではと不安になることも少なくありませんでした。この言葉を聞いて勇気をもらえましたし、“諦めない”を当たり前にするための新しいサービスを実現していきたいですね。女性の悩みや苦しみを解決するために活動する人たちがいる。もっというと、共有できる場があること自体が支えになることだってあると思うので、このコミュニティーをもっともっと多くの人に知っていただけたらと思います」(河合)

    「このコミュニティーのおもしろいところは、大企業もいれば、世の中を変えたいと起業したスタートアップも参加していること。強い思いを持った人たちが集まっているので、それぞれのアセットを掛け合わせたらいいシナジーが生まれそうですし、その可能性がディスカッションからも見えました。企業同士のつながりが生まれてきているので、小さくてもいいからソリューションを世の中に出すことがスタートだと思います。ここから生まれたサービスをまずは実験的に社内で取り入れてみて、世の中に女性の課題解決の鍵を増やしていくことができたらいいですね」(内藤)

    参加企業が増え、社会実装に向けて走り続けるValue Add Femtech Community。それぞれの企業が抱く思いの掛け合わせにより、どのようにコミュニティーが醸成され、どんな事業が生まれていくのか、2024年度の活動にもぜひご注目ください。

    フェムテックで女性の社会課題を解決したい、ソリューションやサービスを提供したいという思いをお持ちの企業さまは、こちらからValue Add Femtech Communityの詳細をご覧ください。女性が当たり前に活躍できる社会の実現のため、ご参加をお待ちしております!
    https://www.ntt.com/business/dx/smart/healthcare/lp/femtech.html