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2021.10.29(Fri)

ヘルスケアの今、未来

Smart World Now:Smart Healthcare

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超高齢化社会の到来を目前に、日本で最も深刻な課題の1つとして挙げられる、医療のあり方。病気の早期発見や治療だけでなく、さまざまなテクノロジーを駆使した予防医療サービスが増加し、介護の領域でもあらゆる試みが実施されています。近年のヘルステック市場の成長は目覚しく、あらゆる企業が参入していますが、規制が多く、日進月歩の分野であることも事実。世界に先駆けて超高齢化の時代を迎える日本が向かうべきヘルスケアの今と未来について考えます。

INTRODUCTION そもそもスマートヘルスケアとは?
Chapter 1. 病気の予防  「治療する」から「防ぐ」時代に
Chapter 2. 病気の治療  どこでも誰でも、必要な医療にアクセスできる環境へ
Chapter 3. これからの介護  一人ひとりに寄り添った介護のかたち

INTRODUCTION そもそもスマートヘルスケアとは?

スマートヘルスケアの市場規模は2022年に3,000億円超と予測

出典:富士経済「企業による従業員向けサービスで需要増加が期待されるヘルステック・健康ソリューション関連市場の調査結果」

普及の背景にはテクノロジーの進歩がある

しかし、情報が分散し、要配慮個人情報の扱いにくさゆえにデータ利活用はそれほど進まず…
加速する高齢化に向け、国策としてビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革が進められている

 

日本は世界に先駆けて超高齢化社会へ突入

出典:総務省「平成28年版 情報通信白書」

 

超高齢化に伴い医療費が増加
2018年度の国民医療費は約43.4兆円と、2年連続過去最高を更新
(2020年11月30日厚生労働省発表)

出典:経済産業省「経済産業省におけるヘルスケア産業政策について」

Chapter 1. 病気の予防
「治療する」から「防ぐ」時代に

日本の平均寿命と健康寿命の差は男女ともに約10年
健康状態ではない期間が長い

出典:経済産業省「経済産業省におけるヘルスケア産業政策について」

しかし、ある調査では自身を「健康ではない」と回答した人のうち
病気の予防に取り組んでいる人は43%に満たず、
医療費の削減に向けて健康寿命を延ばすためにも予防医療が必要

出典:MSD株式会社「全国健康意識・実態調査」

そんななかで注目を集めているのが
ウェアラブルデバイスを使ったライフログデータの蓄積

新型コロナウイルスの影響も相まって健康への関心が高まっている

出典:IDC 「worldwide quarterly wearable device tracker 2016」
IDC 「Worldwide Wearables Market Forecast to Maintain Double-Digit Growth in 2020 and Through 2024, According to IDC」

また、遺伝的な病気のリスクを把握するために遺伝子検査サービスも登場

出典:Global Information「Global Genetic Testing Market 2021-2025」

ヒトのDNAデータ量は膨大かつ個人情報のため、
AIによるビッグデータの解析とセキュアなデータ管理が必要

出典:日経XTECH「「人体こそが最大のビッグデータ」、ストレージ企業が語る医療ビッグデータへの期待」

Chapter 2. 病気の治療
どこでも誰でも、必要な医療にアクセスできる環境へ

日本の人口1,000人あたりの医師数 2.4人と、OECD参加国の中で低水準
医師数は増加傾向だが、高齢化で医療需要の増加が見込まれる

出典:OECD「Health Statistics 2019」

一方、無医地区※1は減少傾向
※1 半径約4キロの範囲に50人以上が住んでいて容易に医療機関を利用できない地区


出典:厚生労働省「無医地区等調査」令和元年

背景にオンライン診療・電話診療に対応する
医療機関(病院及び一般診療所の合計)の増加がある

出典:日本医事新報社より「厚生労働省による中央社会保険医療協議会総会への報告」
厚生労働省「令和3年1月~3月の電話診療・オンライン診療の実績の検証の結果」

また、町の診療所でも進む電子化カルテの導入

出典:厚生労働省「医療分野の情報化の推進について」

しかし、異なる仕様のシステムを導入している場合があり、
院内や医療機関間の情報連携を効率的に行うべく、2025年までに電子カルテ標準化を検討
(情報交換規格の標準化が必須)

 

Chapter 3. これからの介護
一人ひとりに寄り添った介護のかたち

要介護認定者数は年々増加し、2040年には988万人にのぼる見通し

出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成29年推計)」、総務省「人口推計(平成28年)」、厚生労働省「平成27年度介護給付費実態調査」平成27年11月審査分より経済産業省作成

介護職の人材不足は深刻で2035年には68万人不足する見込み

出典:経済産業省「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会 報告書」(2018年4月9日)


NTTコミュニケーションズ スマートヘルスケア推進室より

日本では人口が大きく減ることが推測されており、世界的に見ても高齢化がかなり進んでいます。これに連動して国民医療費は年々増加。国民皆保険の在り方や医療費削減も大きな社会的課題です。また、健康寿命と平均寿命が乖離をしており、健康寿命を延伸することも社会的課題の1つ。これらの社会的課題を解決するためにヘルスケアデータの利活用ニーズが高まっています。

スマートヘルスケア推進室では、日本の医療ヘルスケアを取り巻く社会的課題を解決することを目的として、予防領域、治療(臨床研究・治験を含む)領域、介護を含む治療後のケア領域それぞれにおいて、医療ヘルスケアデータの収集・蓄積、分析・活用や新たな付加価値の創造を目指しています。

予防領域においては、健康診断のデータを「健診標準フォーマット」に集約して事業主・保険者への結果報告までの時間を短縮。治療領域では医薬品の治験や市販後調査などで、スマートデバイスから患者報告(PRO:Patient Reported Outcome)データを発信し、自宅から治験に参加。介護を含む治療後のケア領域では、循環器疾患患者が着衣型デバイス・スマートフォンなどを活用し、心疾患の再発予測や、継続的な運動習慣獲得を目的に行動経済学的観点での患者へのフィードバック方法を検討しています。

しかし、医療ヘルスケアデータが別々に保管されていたり、要配慮個人情報を含んでいたりするために、本人同意の取得や、セキュアで厳格なデータの取り扱いが障壁となり、業界全体では利活用が進んでいないのが実態です。

この障壁を超えるために、データを安心して保管できる仕組み、同意取得管理や秘密計算などの機能を持つプラットフォームを準備することで、今まで難しかったさまざまなデータを組み合わせた利活用や安全な統計処理を通して、個人に適した医療や介護などを提供できると考えており、医療費削減や健康寿命延伸などの社会的課題解決に貢献できると考えています。

NTT Comのヘルスケアの取り組みについてはこちらから。

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