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Hello! OPEN HUB
2024.03.19(Tue)
目次
――最初にOPEN HUBにおけるParkの立ち位置を教えていただけますか。
大塚龍一(以下、大塚):現代の社会課題は非常に複雑で、自社のアセットだけでは解決できないケースがほとんどです。こうしたさまざまな問題が絡み合う社会課題を解決するためには、NTTグループを含む、複数の企業が持つアセットをかけ合わせる必要があります。OPEN HUBは、こうした各企業をつなげるための事業共創プロジェクトです。そして、Parkは各企業をつなぐリアルの場としての役割を担っています。
過去に比べ、現在は短いスパンで事業構造が変化していきます。そのため、時間をかけてフルスクラッチでつくるよりも、スピーディに、未完成品だったとしても外に発信して、市場からのフィードバックとアップデートを繰り返して完成度を上げる、アジャイル的なつくり方が求められています。Parkはこうしたプロセスを実際に行う場であるとも言えるでしょう。
――開設から約2年を経て、現在のParkを取り巻く状況に変化はありましたか。
佐藤雄太(以下、佐藤):開設以来、多くのお客さまに来ていただきましたが、最近は一度来訪された方が、上司や関連部署の方を連れて再来訪してくれるケースも増えています。Parkの展示に触れ、Catalystと接することで「新たな気づきやアイデアが生まれた」、「少し先の未来について考えるきっかけになった」といった好意的な意見とともに、今なお多くのお客さまにご来訪いただいています。
オープンから約2年が経過し、共創の成果も出てきています。この歩みをさらに加速させるために、Parkのリニューアルが計画されました。
――この1年でのParkに関するアップデートのポイントはどこにあるのでしょうか。
佐藤:最初のポイントは、デジタルヒューマンCONNの成長した姿です。CONNは、誕生から約1年が経ち、デジタルカタリストとしてOPEN HUB Parkでお客さま応対、またイベントの司会など、多岐にわたる活躍をしてきました。今後は社会実装に向けたアップデートを強化していきたいと考えています。
社会実装を想定した際、業界によってデジタルヒューマンに対するニーズはちがいます。たとえば、金融業と小売業では、身だしなみ、専門知識など求められる応対は異なります。こうした業界の特性に合わせた応対が必要のため、専門知識をもたせた生成AIの活用や、相手の感情を汲み取り応対を変えていくなどの技術的なアップデートとともに、業界別のユースケースを発信していきます。
大塚:次のポイントはVIRTUAL PARK です。Parkはリアルな共創の場として開設され、成果をあげていたのですが、やはり距離やリソースの問題がありました。こうしたリアル特有の制約から開放するために立ち上げたのがVIRTUAL PARK です。これまでも、どこからでもアクセスができる場として機能してきましたが、今回のアップデートでは、XR/メタバースを活用した社会実装のユースケースの展示コーナーをオープンするなど、順次ユースケース数も増えています。もちろん、CONNもVIRTUAL PARK のツアーガイド動画に登場しますので、ぜひ見に来て欲しいですね。
※VIRTUAL PARK はこちら
――リアル空間にも新たなコンテンツが登場したと聞いています。
大橋一史(以下、大橋):さまざまな業界別ユースケースのシーンを再現し、体験価値を高めることを目的とした空間DXプロジェクト「CELL4」の実装です。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、リアルとバーチャルの融合した「リアルバース」という言葉がテーマになっています。CELL4が重視しているのは、店舗などに顧客接点を持つお客さまのリアルな商空間をベースにするという点です。そこからバーチャル空間へ拡張することで付加価値をつけていきます。
実際にCELL4では、ガラスに囲まれた小空間を活かして、壁面に高精細なプロジェクション技術でコンテンツを投影し、空間を再現します。店舗や商業施設、銀行やホテルなどあらゆる空間の再現が可能です。たとえば、Parkを訪れたお客さまがCELL4に入った瞬間、お客さまの業界に合わせた空間コンテンツがガラス壁面に投影されます。そして、CONNが案内人としてお客さまと対話し、属性、嗜好に合わせた提案を行うデモンストレーションを体験していただくといった利用を想定しています。
CELL4では、リアルのデータを取得し、メタバースに連携することで、業界ごとにさまざまなユースケースを想起できるコンテンツを発信していきたいと考えています。
――Parkの将来的な構想について教えてください。
佐藤:デジタルヒューマンCONNに関しては、さまざまな顧客接点において実際に社会に実装され、多くの人の助けになれたらうれしいです。今後、様々なデジタルヒューマンが登場してくると思いますが、人間と同じように個性を持ち、愛着を持ってもらえる存在になってほしいと考えています。人間相手には話しづらいが、CONN(デジタルヒューマン)相手なら話せるといった場面など、CONNにしかできない役割も生まれてくるのではないでしょうか。お客さまからのフィードバックを大切にして、CONNの活躍の場を広げていきたいです。
大橋:OPEN HUBの基本スタンスは未完成品をみんなでブラッシュアップしていくことです。CONNもそうですが、VIRTUAL PARK やCELL4もまだまだ未完成の状態ですので、実際に体験していただいたお客さまなどからのフィードバックに期待しています。たとえば、CELL4であれば部屋に人流センサーを入れてほしい、ガラスをタッチして認識できるようにしたいといった新しいアイデアがいろいろ出てくると思いますので、今後もお客さまと一緒に相談しながら完成度を高めていきたいですね。
大塚:Parkは開設から3年目に入り、次のフェーズへシフトする時期だと思っており、実装の確度を高めるために、共創の質をさらに向上していきたいです。今後はより、デジタルヒューマン/生成AIやIoTなどの活用を業界ユースケースとして発信しお客様の課題解決を想起させる場としてのOPEN HUBにするべく、さらに進化していければと考えています。
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