Carbon Neutrality

2026.07.24(Fri)

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GX-ETS本格化 企業はカーボンクレジットをどう選ぶべきか
価格だけではない「価値あるクレジット」の条件

GX-ETS(排出量取引制度)の本格稼働を受けて、企業の脱炭素・サステナビリティ戦略におけるカーボンクレジットの存在感が増しています。カーボンクレジットには、創出方法によって複数の種類があり、欧州では、大気中のCO2を除去する方法で創出したクレジットの需要が増加し、その品質を評価する制度整備が進みます。日本でもいずれ、価格だけではなく「種類」や「質」「付加価値」を踏まえて戦略的に選ぶことが求められる可能性があります。

今回は、自然由来のカーボンクレジット創出販売に取り組むGreen Carbonの代表取締役 大北潤氏と、NTTドコモビジネスで森林由来のカーボンクレジットを扱う事業「森かち」に携わる大西樹の話から、カーボンクレジットの種類や価値、企業がカーボンクレジットを選ぶ際の視点、さらにカーボンクレジットがもたらす社会的な意義を読み解きます。

投資戦略の中で高まるカーボンクレジットの存在感

――GX-ETSが本格稼働したことで、企業のカーボンクレジットに対する向き合い方は変化していますか。

大北氏:関心は非常に高まっています。GX-ETSは、自社に割り当てられた温室効果ガス(GHG)の排出枠に対して、その過不足分を市場で取引する制度です。企業がカーボンクレジットを購入して使用(無効化・償却の手続き)すると、各年度の実排出量の10%を上限に控除できるとされています。つまり企業は、自社でGHG排出量の削減を行い、それでも超過した場合は、排出枠の調達(GX-ETS)とカーボンクレジットの購入(カーボンクレジット市場や相対取引)・償却を組み合わせた対策を取ることになります。超過したままだと、金銭的ペナルティにあたる「未償却相当負担金」を払わなくてはいけません。

GX-ETSの対象企業は、毎年9月30日までに各種の届出をし、その後、排出枠の割り当てや、排出実績量の報告、保有義務の履行が順次進んでいきます。しかし、2030年に向けて自社の削減実行計画を具現化し、排出枠の取引やカーボンクレジットの調達に関する戦略をしっかり策定できている企業はまだ少ない状況です。

一方で、不確実性への備えとして、カーボンクレジットを求める企業は増えています。例えば、燃料価格の高騰などで老朽化した石炭火力発電所を稼働させなければならなくなるなど、将来の排出量を正確に予測するのは難しいことです。加えて、将来的に未償却相当負担金やカーボンクレジット価格が上がっていく可能性もある。そこで、一定量のカーボンクレジットを安価なうちに調達し、将来に充当しようという動きがあります。今後、クレジットの需要はさらに高まり、供給が足りなくなると予測されています。

「削減系」と「吸収・除去系」 世界が求めるカーボンクレジットの価値

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