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Smart World Now
2021.12.03(Fri)
Smart World Now:Smart Customer Experience
目次
カスタマーエクスペリエンス(CX)=顧客体験
言葉の誕生は意外と古く
1982年の論文「Journal of Consumer Research」で紹介
“a whole event that a customer comes into contact with when interacting with a certain business”
(顧客がある企業と接点を持つときに体感するイベント全体のこと)
出典:DataVehicle「CXとは?なぜ今CXが話題なのか歴史的背景も絡めて具体例を解説。」
ビジネス用語として普及したのは2000年代
スマートフォン・ネット普及による顧客接点の増加
よく比較されるのがUX(User Experience)
また、デジタル化が進む中で、よりよい顧客体験のために
オンラインとオフラインの融合が進む
消費者が商品を選ぶにあたり、ライフスタイルに合っているかどうかは重要な要素
海外では、購買データの活用によるマーケティング戦略の高度化を背景にした
プライベートブランドの成長性が注目されている
また、人流データの活用も進む
デジタル化により実店舗における利用者行動が把握できるように
デジタルのマーケティングデータを活かした新しいビジネスモデルも生まれた
●RaaS(Retail as a Service)
店舗スペースを区間で区切り、サブスクリプション形式で出店料を得て商品を販売。在庫管理や物流、マーケティングサービスとセットで提供する。
●インキュベーション
小売業としてのリソースを活用して事業の創出や創業を支援
良い顧客体験を生み出すために
リアルとデジタル両方の購買、人流データなどが活かされている
2025年には労働人口の50%はミレニアル世代※1以降の年代に
※1:1981年以降に生まれ、2000年代に成人を迎えた世代。
ミレニアル世代、Z世代の特徴
●デジタルネイティブ
●ダイバーシティの重視
●シェアエコノミーの積極的な活用(物欲・所有欲が低い)
価値観の変化の中で、「モノ」だけでなく「コト」や「イミ」が求められるように
そのため、買い物体験のそもそもの価値を高めるための施策が取り入れられている
●リテールテイメント
実店舗での購買体験にエンターテインメント要素を取り入れた概念。商品を手にして試すだけでなく、その店舗でしかできない体験をさせることで、購買意欲をかき立てたり、ロイヤリティーを醸成。
オンラインとオフラインを融合するためのさまざまな工夫も
●レコメンデーション
ユーザーの過去の購入履歴や閲覧履歴(ライフログ)をアルゴリズム解析し、利用者の好みにあった商品をおすすめすること。
●ロイヤルティープログラム
企業へのロイヤルティーを高めるため一般顧客とロイヤルカスタマーを顧客体験の上で区別するためのさまざまな施策。
●リテールメディア
店舗を消費者と直接つながるためのメディアと捉え、売り場で得られるデータを活用して広告を効果的に配信する仕組み。
消費者行動が変化する中で、接客のあり方も変化
4人に1人が宅配サービスやフードデリバリーを活用
2020年2月以降、オンライン接客の利用者は約4割増
そんな中進むのが、テクノロジーを活用したオペレーションの効率化
次世代型ショップとしての無人店舗も登場
ShelfX
2014年、ShelfX社が開発した無人コンビニエンスストア。入店時には“Xcard”というプリペイドカードを振るか、クレジットカードをスワイプすることで入店が可能。客は店内で商品を選び、Xcardを振ることで購入、精算することができた。
Amazon Go
2016年12月に発表された、Amazon社が開発した無人コンビニエンスストア。店内の複数台のカメラとマイク、赤外線や圧力、重量センサーなどで商品の移動や人の動きをトラッキングし、リアルタイムで専用アプリと連携させることで、店を出ると同時にAmazonアカウントで決済することができる。
物流サービスとの融合により、店舗の役割も変化している
●ラストワンマイル
最終拠点からエンドユーザーへの物流サービス。ネット通販の普及やオムニチャネル化が進み、宅配やコンビニでの受け取りなど店舗以外での商品の受け取りが増えている。
●ダークストア
顧客の来店が想定されていないネットスーパー専用の物流センター。地代の安い場所に設置できたり、接客なしでピッキングできるという点で効率的。
効率化だけでなく、接客の価値向上にもテクノロジーを活用
NTTコミュニケーションズ スマートカスタマーエクスペリエンス推進室より
消費者行動の変化に伴い、場所に依存しないビジネスが活性化し、企業と顧客の接点は増加しています。今、小売業やメーカーに求められているのは、リアルの情報をデジタルにマージ(OMO)してサービスをパーソナライズし、継続的に利用したいと思う購買体験の創出を目指すことや、「売り手」を超えた価値創出の担い手となることです。
鍵となるのが膨大で複雑なデータの分析です。購買行動から得られるデータには、沢山の種類がありますが、一種類のデータから導き出せる情報やその精度には限界があるため、異なる種類のデータを掛け合わせることも必要です。
ある商業施設で来訪者を人流データで分析したところ、多く来訪している属性は主婦世代、サラリーマン世代でした。しかし、その属性をターゲットに販促施策を展開しても、店舗の売上は伸び悩んでしまいました。そこで、人流データに加え、POSデータやカメラのデータ、SNSのデータを組み合わせて分析してみると、実際に商業施設で買い物をしているのは、10~20代の学生たちということがわかったのです。このように、人流データから導き出される来訪者の層と、POSやカメラ、SNSのデータで導き出される購買者の層が異なるということも考えられます。
また、体験にフォーカスを当てて商品や人との出会いを生み出すこともポイントです。例えば、NTTコミュニケーションズが考えるWebVRメディア。「漠然と」興味のある趣味やライフスタイルを持つ生活者がターゲットです。気軽に参加できるバーチャルな空間での体験を通して、豊かなライフスタイルにつながるインスピレーションや新しい出会いを届けます。生活者やディベロッパー、小売業者などさまざまなステークホルダーの意見を取り入れ、OMOデータも活用することで、WebVRメディアの実現を目指しています。
さらに、OMOによるデータは、従来属人的な知識やスキルとされてきた接客にも活用できます。オンラインでの接客が増える中、それをサポートするのがコミュニケーションAIです。コンタクトセンターなどの豊富な知見を活かし、空間を超えた顧客体験の継続に店員が対応するための支援を行います。
NTTコミュニケーションズのスマートCX事業が取り組んでいるのは、これらの取り組みを下支えするデータの活用です。複雑なデータを安心安全に分析してプラットフォームを提供することで、変化する顧客のライフスタイルに応じた購買体験の創出を支援します。
NTTコミュニケーションズの顧客体験の取り組みについてはこちらから。
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