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2025.05.16(Fri)
Smart City
2024.07.17(Wed)
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──まず、現在のインバウンド観光の市況感をどのように見ていますか?
現在、コロナ禍が明けてインバウンド需要が回復し、マーケットはかなり動いています。JNTO(日本政府観光局)が発表した年間訪日観光客数は、昨年の2,500万人に対して今年の見通しは3,400万人と大きく伸びています。また、2023年の訪日客消費額は過去最高の5兆円越えと、コロナ前の水準を上回りました。
その弊害として、都市部や一部の観光地ではオーバーツーリズムが起こっています。地方へ足を運ぶ観光客が少なく、特定の地域に集中してしまっていることが原因のひとつです。コロナ前は、地方空港にも海外直行便が発着していたのですが、現在はまだ完全回復には至っていません。日本に来る外国人観光客は、なかなか地方に足を伸ばしづらいのが現状です。
──すでにオーバーツーリズムが問題視されているにもかかわらず、政府は2030年までに訪日観光客数を6,000万人まで伸ばすという目標を掲げていますよね。課題解消の鍵をどのようにお考えですか。
キーワードは「分散」です。大都市ではない地方のエリアに、どう集客するか。そこで今注目されているのが「デジタルノマド」の動きです。
今年4月から、「デジタルノマドビザ」が日本でも発行されました。PCさえあればどこでも仕事ができる人が、旅をしながら働くライフスタイルを「デジタルノマド」と言います。こういった人向けに3ヵ月から1年の長期滞在を許可するのがデジタルノマドビザです。すでに約40ヵ国が発行しています。
デジタルノマドの方はリモートワークをしながら地域に宿泊費や食費を落とすので、雇用を奪わずに経済に貢献してくれます。また、観光より滞在期間が長い分、地域との関係も深くなるんですね。総務省が唱える「関係人口」に近い関わり方になり、そこから移住・定住につながることもあります。
日本では、福岡市がデジタルノマドを積極的に推進しています。インフラの整備はもちろん、海外のインフルエンサーを呼んで発信してもらうなどブランディングにも注力しているのです。
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